キノガッサ入り

ポケモン 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
ヒードラン 気合の襷 オーバーヒート 岩石封じ ステルスロック 吠える 貰い火
キノガッサ 毒々玉 岩石封じ キノコの胞子 身代わり ビルドアップ ポイズンヒール
ゴチルゼル 食べ残し サイコキネシス 身代わり 瞑想 眠る 影踏み
カイリュー 命の珠 逆鱗 神速 地震 竜の舞 マルチスケイル
ハッサム ハッサムナイト バレットパンチ はたき落とす 燕返し 剣の舞 テクニシャン
ボルトロス ゴツゴツメット 10万ボルト 目覚めるパワー氷 ボルトチェンジ 電磁波 悪戯心

身代わりを自然な形で採用できる構築を考えたところ、身代わりを最も有効活用できるポケモンポイズンヒールキノガッサであると思ったためそこから組み始めた構築。
まずキノガッサの起点にできる範囲を広げるために相手のSを下げることによるサポートを考えた結果、ヒードランが呼ぶ相手とキノガッサが起点にできる範囲、またヒードランが牽制する範囲とキノガッサが苦手とする相手が被っていることに気付いたため岩石封じを搭載したヒードランを採用。次にキノコの胞子を無効化することでキノガッサが起点にできない相手、特にフシギバナを確実に処理、あるいは起点にできるポケモンとしてゴチルゼルを採用しました。この3体では嵌めが成立しない場合の突破力に欠けることから、ヒードランのサポートと合わせて全抜きを狙えるカイリューハッサムを採用。最後の枠には、構築全体が低速気味であることと、ヒードラン以外にもサポートが可能なポケモンが必要と考え化身ボルトロスを採用しました。
発想としては悪くはなかったものの補完が十分に出来ず限界を感じたためアイディアの一つとして公開することにしました。


【個別解説】

ヒードラン
【持ち物】気合の襷
【技構成】オーバーヒート/岩石封じ/ステルスロック/吠える
【特性】貰い火
【性格】臆病
【実数値】191-99-127-156-128-141

岩石封じによるキノガッサのサポート、ステルスロックによるカイリューの決定力補佐ができるポケモンとしてヒードランを採用。タイプ相性上ヒードランが呼ぶ相手とキノガッサが起点にできる範囲が被っており、岩石封じにより相手のSを下げることでキノガッサが嵌めることができる範囲を広げます。また、岩石封じにより相手の気合の襷や頑丈を潰しながらステルスロックを撒く動きも可能であり、カイリューハッサムの決定力補佐にもなります。
技は上記の理由から岩石封じとステルスロックが確定。岩石封じはキノガッサだけでなく後述のゴチルゼルの嵌めをサポートすることもできます。またステルスロックカイリューの決定力補佐に加え、キノガッサが相手の交代を誘いやすいため削って圏内に入れる手段としても有用です。炎技には削れた相手を処理できるよう最も火力の出るオーバーヒート、最後の枠にはステルスロックを相性の良い吠えるを採用。吠えるの枠は初めは挑発で使っていましたが、構築全体で相手の身代わりに弱く、特にライコウヒードランよりSの高い相手に身代わりを先制で使用された場合も対処できるようにする必要があると感じたため吠えるに変更しました。吠えるがあったとしても自身よりSの高い身代わり持ちはやはり厳しいため注意したいところです。
持ち物は確実に岩石封じを撃てるよう気合の襷。風船も候補ではありますが、初手のヒードランが一回行動できるかどうかが勝敗に直結することも少なくないこの構築では地面タイプ以外で弱点を突かれても行動できる気合の襷の方が有用だと判断しました。
配分は確実に行動できるよう臆病HSベース。岩石封じやステルスロックを使用した後クッションとして温存しておく場面もあると考え耐久に配分しましたが、逆にトリックで気合の襷を奪われた後水ロトムハイドロポンプを耐えてしまい次のターンにボルトチェンジで逃げられたり、削れたギルガルドがオーバーヒートで落ちなかったりしたことで負けた対戦もあるため配分については見直す必要があるでしょう。
ヒードランが呼ぶ範囲とキノガッサが起点にできる範囲が綺麗に被っておりキノガッサのサポートとして非常に優秀なポケモンであることは間違いないのですが、本当に岩石封じしか撃たないためもしかしたら他に適役がいるのではないかという疑問はあります。

キノガッサ
【持ち物】毒々玉
【技構成】岩石封じ/キノコの胞子/身代わり/ビルドアップ
【特性】ポイズンヒール
【性格】陽気
【実数値】155-151-101-*-92-134

今回の構築の軸でありエース。基本的にヒードランの岩石封じにより相手のSを下げてから展開します。ヒードランが呼ぶ相手をキノガッサが起点にしやすく、岩石封じを入れれば更に多くの相手を嵌めることが出来ます。そのため、多少厳しいと感じてもヒードランで岩石封じを入れれば先手を取れるという場合は積極的に選出します。
技構成は嵌めるためのキノコの胞子と身代わりは確定、相手のSを下げることで確実に嵌める状況を作るために無効化されない岩石封じ、物理相手に身代わりを残しやすくなり一度パターンに入ってしまえばそのまま全抜きを狙えるビルドアップ。ギルガルドやゲンガーの採用率が高く、選出段階でゴーストタイプがいるだけで選出できないようではキノガッサの強みを活かすことは当然できないため、現状ポイズンヒールキノガッサの攻撃技は岩石封じが最も優先順位が高いと思います。
配分は第5世代からのポイズンヒールキノガッサの基本的な配分。HとSはこれが最も無難な配分ですが、残りをBとDどちらに配分するかは悩みどころです。今回は低火力特殊技を有る程度余裕を残して耐えた方が起点に出来る範囲が広がると考えDに配分しました。ただ特殊技を本体が受ける機会が少なく、連続技や先制技への耐性があった方が動きやすいと思う場面もあったのでBに配分した方が良かったかもしれません。
草タイプへのキノコの胞子無効、キノコの胞子を無効化する防塵ゴーグル、身代わり貫通の技・特性の登場、高火力連続技持ちの増加と、第5世代と比べキノガッサにとって不利な要素がこれでもかと増えていますが、逆にそのためかキノガッサに対する意識の低い構築も少なくなく、そういった構築に対しては相変わらずの強さを発揮してくれます。身代わりを自然に組み込めるため事故が少なく、一度パターンに入ってしまえばほとんど作業で対戦を進めることが可能です。
第5世代と異なる注意点として、交代による眠りターン数リセットが廃止されたため、眠った状態で交代し、蜻蛉返りや大爆発、反動技により身代わりを破壊しつつ自主退場、次のターンに起きて先制というパターンで処理される可能性があるという点は考慮して立ち回らなければいけません。

ゴチルゼル
【持ち物】食べ残し
【技構成】サイコキネシス/身代わり/瞑想/眠る
【特性】影踏み
【性格】穏やか
【実数値】177-*-115-116-178-85

キノガッサが呼ぶフシギバナを処理する、あるいは起点にしてそのまま全抜きを狙える駒としてゴチルゼルを採用。このポケモンヒードランキノガッサの岩石封じによるSダウンから展開していきます。キノガッサフシギバナに倒されたところを死に出しで起点にしていく動きが基本ですが、キノガッサを残しておく必要がある場合は後出しする場合もあります。フシギバナ以外にも低火力特殊を起点にし全抜きを狙います。
技構成は、攻撃技には最も安定して威力の出るサイコキネシスを採用、起点を作り全抜きを狙うための瞑想、状態異常や宿り木の種の他、急所や追加効果などの事故をぐ身代わり、回復手段として眠る。瞑想の積み合いになる場合はサイコキネシスよりサイコショックの方が有効ですが、基本的に積み技を持つポケモンゴチルゼルで相手をする場面は多くなく、少しでも火力が出ることと追加効果により突破できる範囲が広がることにも期待しサイコキネシスを選択しました。
持ち物は身代わり瞑想で起点にした場合の回復ソースとなる食べ残し。当初は防塵ゴーグルを持たせフシギバナを確実に起点にしていくことを考え、食べ残しを身代わり毒々ギルガルドに持たせていたのですが、構築全体でマンムーが極端に重くなってしまったことからハッサムに変更し、食べ残しが余ったためゴチルゼルに持たせました。フシギバナは宿り木の種を採用した個体も多く、基本的にはヒードランキノガッサの岩石封じによりSを下げ身代わりから展開していきたいため防塵ゴーグルを活かせず手ぶら同然だったためこの変更は問題無かったと思います。ただし相手のキノガッサにも弱くなってしまうため選出や立ち回りで起点にされないよう意識する必要があります。
配分は数値が足りないためHDに振りきりました。D1段階上昇でやっとC191メガフシギバナのヘドロ爆弾を身代わりが確定耐えする程度の耐久です。物理耐久が低く物理相手に身代わりを残しつつ突破することはほぼ不可能なため、低火力特殊を起点に身代わりが残った状態で相手を倒し次のポケモンを削るといった立ち回りを心掛ける必要があります。

カイリュー
【持ち物】命の珠
【技構成】逆鱗/神速/地震/竜の舞
【特性】マルチスケイル
【性格】意地っ張り
【実数値】167-204-115-*-120-132

前回のルカリオ軸構築で使用したものと同じカイリューヒードランカイリューハッサムの並びの強さは第5世代の時から知られており、キノガッサ軸の選出で崩しきれない相手に対し火力を活かして突破を図ります。
技構成や持ち物、配分については前回のものを流用しています。竜の舞を1回積んでもメガゲンガーを抜けないため陽気で採用するべきだったかもしれませんが、やはり意地っ張りの火力を捨てられない場面もあるため難しいところです。
ヒードランキノガッサで荒らした後に竜の舞を積んで一掃したり、ハッサムと合わせた選出は強力ですが、XYではフェアリータイプ+炎タイプ(特にヒードランヒートロトム)の並びはカイリューハッサムでは崩しきれない場合があるため、この2体の組み合わせが今後使えるかどうかには疑問があります。

ハッサム
【持ち物】ハッサムナイト
【技構成】バレットパンチ/はたき落とす/燕返し/剣の舞
【特性】テクニシャン
【性格】意地っ張り
【実数値】159-200-120-*-100-104(メガ進化後:159-222-160-*-120-114)

  • H:16n-1
  • S:4振り80族+3(メガ進化前)、4振り90族+3(メガ進化後)

この枠はもともと臆病HSギルガルドで、食べ残しを持たせ毒々+身代わりによりキノガッサで倒しきれない高耐久ポケモンを崩すことを狙っていました。しかし構築全体でマンムーメガガルーラが極端に重かったため、ヒードランカイリューキノガッサと合わせて自然と強い並びを作れるハッサムに変更しました。ちなみにこの変更によりヌオーに勝てなくなっていますが数が少ないため切っています。
技構成はメイン技であり高火力先制技のバレットパンチ、全抜きを狙う剣の舞は確定。キノガッサ軸で厳しいブリガロンやラムの実持ちローブシン、メガヘラクロス等を素早く処理できる燕返しを採用。燕返しハッサムミラーやメガギャラドスへの打点にもなります。燕返しを採用したことでハッサムミラーで悪技を撃つ必要がなくなったため悪技には追加効果が優秀でメガ進化ポケモン以外へのダメージが大きくなるはたき落とすを採用。ラムの実や防塵ゴーグル持ちに当てることが出来ればキノガッサで嵌めることができます(実際にそのような展開になったことはありませんが)。羽休めが欲しくなる場面も無くは無いのですが、やはり攻撃技3つの範囲の広さがあった方がサイクルを回せないこの構築には合っていると考えました。
配分は火力を最大まで伸ばし、Hを定数ダメージを意識した16n-1、Sは無振り80族近辺の相手を抜ければ良いといった感じです。第5世代の命の珠ハッサムの流用個体のため配分は再考する余地があるでしょう。
燕返しは意外と撃つ相手が多く、攻撃技3つにより範囲を広げることで起点になり辛く選出もしやすかったためこのような構成のハッサムの方が自分には向いているように感じました。ただカイリューの項でも触れたようにフェアリー+炎のようなカイリューハッサム選出で対応できない相手が多いということが気になったため、構築全体で意識する必要があると感じました。

ボルトロス
【持ち物】ゴツゴツメット
【技構成】10万ボルト/目覚めるパワー氷/ボルトチェンジ/電磁波
【特性】悪戯心
【性格】臆病
【実数値】155-*-90-177-100-179

電磁波によりゴチルゼル等の展開をサポートができ削りが可能な化身ボルトロス。構築全体が低速気味であるため、高いSを活かし自ら削りつつ電磁波により相手のSを下げるために採用しました。ガルーラ入り等、ヒードランを初手に出せない場合に初手から出す場合がほとんどで選出自体は少なめです。
技構成はタイプ一致メイン技の10万ボルトと補完に優れた目覚めるパワー氷に加え、相手を削りながら有利対面を作れるボルトチェンジゴチルゼルへの展開のサポートや構築全体のSの低さを補う電磁波。ボルトチェンジはガルーラ入りに対し初手で出した際ガルーラ以外と対面した場合に削りながら安定して引くことができます。電磁波もガルーラのSを奪うためにこの構築では必要な技です。
持ち物はガルーラ等を削るためのゴツゴツメット。特にガルーラに対してはゴツゴツメットによる削りと電磁波によるSダウンを合わせて対処する必要があります。
配分は無難に臆病CS。計算していないため分かりませんがガルーラを削ることを考えるとBをもっと伸ばしても良いかもしれません。
キノガッサと並べることで構築の見栄えを良くするために採用したと言っても過言ではなく、実際ほとんど選出しない上に選出した際の勝率も低く変えるとすればまずこの枠でしょう。

個別解説は以上です。

選出はヒードランキノガッサゴチルゼルorカイリューorハッサムを基本とし、どう考えてもキノガッサで嵌められない場合はヒードランカイリューハッサムの積み技リレー的な選出。またガルーラ入りに対しては初手ボルトロスを基本とし、ボルトチェンジが安定択とならない場合(電気無効かつボルトロスへの打点があるポケモンがいる)はヒードランを初手にし後ろにボルトロスを控えさせる場合もあります。

マンムーメガガルーラファイアロー、メガヘラクロス等苦手な相手は多く完成度は低いですがキノガッサの強さは再認識できました。
多少厳しいと感じた相手でもヒードランの岩石封じからキノガッサで嵌めてしまえば勝てる対戦も少なくはありませんでしたが、やはりメガガルーラ等が厳しいという穴を埋めきれなかったこともありこの形で使い続けることは不可能と判断しました。キノガッサは弱体化により周りで埋めなければならない穴が第5世代より増えているため構築難易度が高いと感じました。

基本的に初手でヒードランを出し岩石封じで相手のSを下げ、死に出しからキノガッサに展開する性質上、実質残りポケモン数が2対3の状態から対戦が始まる上に処理速度が非常に遅いため、キノガッサに対し放置し時間切れによる判定勝ちを狙うプレイヤーが多いレートでは時間切れによる負けも多くなってしまいます。TOD禁止とルールに明記されている大会・対戦オフ会向けのギミックと言えるでしょう。

今回は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。