真皇杯ラストチャレンジ使用構築〜霊獣ボルトバシャ3〜


ハッサム@拘り鉢巻
バレットパンチ/蜻蛉返り/馬鹿力/燕返し
意地っ張り 173-198-126-*-101-86

スイクンゴツゴツメット
熱湯/凍える風/吠える/リフレクター
図太い 203-*-166-111-136-125

バシャーモバシャーモナイト
飛び膝蹴り/フレアドライブ/剣の舞/守る
意地っ張り 155-189-90-*-91-132 → 155-233-100-*-101-152

ガブリアス@ラムの実
逆鱗/地震/剣の舞/ステルスロック
陽気 183-182-115-*-106-169

■霊獣ボルトロス@突撃チョッキ
10万ボルト/目覚めるパワー氷/ボルトチェンジ/サイコキネシス
控えめ 171-*-108-209-101-125

ニンフィア@拘り眼鏡
ハイパーボイス/目覚めるパワー岩/シャドーボール/破壊光線
控えめ 201-*-116-144-150-81


※全て理想個体の場合の実数値を記載。実際に使用した個体は非理想値を含む。

【概要】
シングルバトルの非公式全国大会『真皇杯』予選ラストチャレンジで2日間通して使用した構築。
前回までの霊獣ボルトロスメガバシャーモという軸はそのままに細部に変更を加えた。特にメガゲンガーメガバシャーモと性質が異なりすぎることから選出段階で自分自身に二択を迫っていると感じたため、メガ進化をバシャーモ一体に絞り、バシャーモが明らかに動きづらいと感じた場合のみメガ進化無しの選出をし、その場合でも極力決定力を落とさないことを意識した。その結果特殊決定力であり広い範囲に打ち合える駒として拘り眼鏡ニンフィアを採用することにした。
またメガ進化をバシャーモのみとしたことで、バシャーモによる全抜きを狙う動きが多くなり、そのためにはステルスロックが必須に近いと考えガブリアスステルスロックを採用した。

前回から若干の変更を加えた程度ですが、真皇杯が終了したことで一つの区切りとして、またORASで3か月間使い続けてきた構築の総括の意味も込めて詳細に記述します。


【構築の背景・経緯】
構築の始まりは拘り眼鏡ラティオスを使いたいと思ったところから。ORASは決定力がガルーラや新たに登場したメガ進化であるボーマンダをはじめとした物理方面に偏った傾向にあり、そのため耐久調整も物理方面を意識したものが多いことからSの高い特殊決定力であるラティオスが通りやすいのではないかと考え拘り眼鏡ラティオスを軸とするところから構築を開始した。
ラティオスを軸とする場合に意識することはラティオスの隙を如何にカバーするかということと、ラティオスが有利な対面を作れるかということの2点。これが高火力先制技により削れた相手を処理できることと蜻蛉返りによる有利対面の作成が可能なハッサムと噛み合っており、第5世代から有名な並びであるラティオスハッサムという組み合わせがまず決定した。ハッサムラティオスが削った相手に対し終盤で一層する動きができるようにすることと、蜻蛉返りによる削りスピードを高めラティオスが一貫しやすくなるように拘り鉢巻を持たせた。
ここまででメガ進化がいないことから、この2体のどちらかあるいは両方と同時選出できるメガ進化として、特にガルーラに対し受け身にならないことを高く評価してバシャーモを軸となるメガ進化として採用した。ラティオスのトリックにより悪技や氷技で固定された相手をバシャーモが起点にし全抜きを狙う、ハッサムの後攻蜻蛉返りから安全に有利対面を作るといった動きを軸とすることを狙った。
そしてバシャーモの補佐としてステルスロックが使用できなおかつ自身が決定力となれるガブリアスバシャーモが確実に止められてしまう化身ボルトロススイクンのような高耐久水タイプに強くボルトチェンジにより削りながら有利対面を作れる霊獣ボルトロス、どれだけ対策を施しても足りることがないガルーラに対する駒として、またバシャーモ軸で組むにあたりどうしても重くなるガブリアスや霊獣ランドロスファイアローカイリューに対する駒として、他の5体とタイプ面での補完も成立するゴツゴツメットスイクンという形で6体の原型が完成した。
この時点で、蜻蛉返りやボルトチェンジにより削りながらメガバシャーモを繰り出すという動きがある程度確立できた。

しかしラティオスが相手の構築にフェアリータイプや鋼タイプがいるだけで動きづらくなり、特にこの構築ではそれらのラティオスを起点にする相手に対し安全に後出しできるポケモンがおらず結果としてラティオスを選出できないことが多かった。使い始めた当初はメガボーマンダの数が多いことなどがラティオスにとって有利に働いたが、ボーマンダの数が落ち着くとともにガルーラやゲンガーが再び数を増やし始めたこともありバシャーモ軸で改めて考え直す必要があると感じた。
バシャーモ軸で改めて考え直すにあたり、バシャーモが止められる高耐久の相手に対し出せるポケモンとしてメガゲンガーを採用。蜻蛉返りやボルトチェンジからメガゲンガーを安全に繰り出し1対1交換以上を狙うという動きはXY時代から使用者が多く結果も出していることから自然に採用できた。
しかしながらバシャーモとゲンガーの性質の違いから選出段階で択が発生してしまい、別のメガ進化を選出すれば良かったという場面が何度もあった。個人的な理解不足という問題はあるが、性質が異なるメガ進化2体は選出が完全に噛み合わなければ機能しないと感じた。そのためメガ進化をバシャーモ1体に絞ることにし、最後の1枠に5体が苦手とする相手に有利なポケモンとして拘り眼鏡を持ったニンフィアを採用することにした。この間も最後の一枠はラティオスに戻すことやHCポリゴン2、メガサーナイトなども考えたが、タイプ相性や相手に掛ける負担の大きさ、また高い耐久により不利対面になった場合の引き先となれる点が構築に噛み合っていると考えニンフィアに決定した。

拘り眼鏡ニンフィアを採用したことで受けループのような構築には非常に薄くなってしまったが、オフにおける受けループ系統の構築は使用者が非常に限られており、ピンポイントな対策を仕込むことより誰が使ってもおかしくないポケモンに強くなれることを優先した。はじめから優勝を狙うのであれば受けループを切ることはできないがそこまでの自信はなかったため受けループに当たったら諦める代わりにそれ以外に勝てる可能性を高めるようにした。


【詳細・個別解説】
個別解説は採用順に記載。


ハッサム
【持ち物】拘り鉢巻
【技構成】バレットパンチ/蜻蛉返り/馬鹿力/燕返し
【特性】テクニシャン
【性格】意地っ張り
【実数値】173-198-126-*-101-86

  • H:6n-1
  • A:11n、クレセリアへの蜻蛉返りのダメージが最も大きくなる数値

もともとはラティオスとの組み合わせとして採用したが、後攻蜻蛉返りからメガ進化ポケモンを安全に繰り出す動きが単純ながら強く、この構築の基本の動きを担うポケモン。蜻蛉返りによる大きく削ることで後ろの圏内に入れやすくすることと自身が終盤に抜いていく動きを考え拘り鉢巻を持たせた。
技構成は、相手を削りながら有利対面を作れる蜻蛉返り、削れた相手を処理し、自身が終盤に一層する動きが可能な高火力先制技のバレットパンチまでは確定。
残りの技構成として、まず採用を決めたのが馬鹿力である。撃つ場面はヒードラン交代読みと炎技が無いと分かったガルーラ対面くらいだが、ヒードランに対しては素早く処理できないと不利な択を迫られることに繋がりかねないため処理ルートを増やす意味で採用した。ガルーラに対してはどれだけ対策を施しても足りないため技構成次第で勝てる可能性を残すことに意味がある。
最後の枠には、構築全体で重くなるへラクロスローブシンなどへの打点として燕返しを採用した。ただしニンフィアを採用したことでこれらの相手に圧力をかけることができるようになったため、この枠は変更の余地がある。候補としてはクレセリアヒードランに一貫しポリゴン2に対してバシャーモ以外でも対処できるようにすることに加え、ゴツゴツメットを無効化することでバシャーモの消耗を抑えることができるはたき落とす、ステルスロックを絡めることで苦手なウルガモスファイアローを処理できる電光石火、キノガッサに後出しできる駒として扱える寝言など。いずれにせよ蜻蛉返りとバレットパンチ以外の技で固定された場合が弱いため、蜻蛉返りとバレットパンチ以外を極力撃たないような選出・立ち回りを心がけるべきだと感じた。
配分は相手に掛ける負担をできる限り大きくするためにほぼHAに振り切った。HBクレセリアに対しハッサムの蜻蛉返りとメガバシャーモフレアドライブで7割弱の確率で倒せることは頭に入れておきたい。はたき落すを採用していないためゴツゴツメットの定数ダメージを受ける回数が多くなると考えHPをゴツゴツメットのダメージが小さくなるところまで下げ、その分をBに回しマンムーガブリアスに対し少しでも安定するようにした。


バシャーモ
【持ち物】バシャーモナイト
【技構成】飛び膝蹴り/フレアドライブ/剣の舞/守る
【特性(メガ進化前)】猛火
【特性(メガ進化後)】加速
【性格】意地っ張り
【実数値(メガ進化前)】155-189-90-*-91-132
【実数値(メガ進化後)】155-233-100-*-101-152

この構築の唯一のメガ進化枠であるバシャーモ。命の珠ではなくメガ進化で採用した理由は、全抜きを狙う際に瞬間火力よりも消耗を抑えることを重視した方が勝ちにつながると考えたため。
技構成は、格闘技に連打できる高火力技として飛び膝蹴り、同じくタイプ一致技であり高火力命中安定のフレアドライブ、積むことができれば突破力が大幅に上昇し全抜きを狙える剣の舞、安全にメガ進化しつつ素早さを上げることに加え、壁やトリックルームのターン稼ぎにもなる守る。
格闘技に馬鹿力ではなく飛び膝蹴りを採用した理由は、能力低下により交代を余儀なくされる場面を減らしたいと考えたため。全抜きを狙うポケモンは場に居座り続けることが重要だと考えているため、有利対面であるにも関わらず交代を強要される馬鹿力は自分の考え方に合っていないと感じた。他にも飛び膝蹴りであればスイクンを2発で落とせたり、反動で消耗したくない場合に当てる前提で撃つことで全抜きを狙いやすくなるなど、立ち回りの幅が広がるのは飛び膝蹴りの方だと考えた。またバシャーモの守るはそれ自体が強力な勝ち筋につながるため、特殊なギミックを持つ構築以外では必須だと考えている。
剣の舞は有利対面で流し際に積むことで全抜きがよりしやすくなるが、この枠を鬼火にすることで呼ぶ相手に有利に立ち回れることをオフの対戦終了後に知った。特にクレセリア入りに対し、クレセリア後出しのタイミングで鬼火を当てることができれば拘り鉢巻ハッサムの蜻蛉返り+メガバシャーモフレアドライブ+鬼火の定数ダメージでクレセリアが確定で落ちるため、クレセリアの処理が格段に楽になる。カイリューなどを見てもバシャーモが選出できる、守るで定数ダメージを稼ぐことでガブリアスに勝てるなどのメリットもある。剣の舞も非常に強力な技ではあるが、今回のように起点作成ギミックを持たない構築においては鬼火の方が有利に立ち回れる場面が多いと感じた。
配分はメガバシャーモの攻撃性能が最も高くなる意地っ張りAS。ハッサムの項で記述した通りクレセリアへのダメージを見るとAに振り切る必要があり、ウルガモスリザードンに先手を取れる可能性を残すためにも準速。消耗が激しいためHP管理が重要であり、Sを下げてHPに割くことで生存する場面も出てくるが、拘りスカーフ持ちなどを相手にする場合やバシャーモミラーを考慮すると素早さが激戦区であることからASとした。


ガブリアス
【持ち物】ラムの実
【技構成】逆鱗/地震/剣の舞/ステルスロック
【特性】鮫肌
【性格】陽気
【実数値】183-182-115-*-106-169

バシャーモを動かしやすくするためにはステルスロックが必要だと考え、ステルスロックが使用できるポケモンの中でも特に自らが決定力となれる点に注目してガブリアスを採用した。
技構成は、安定した削り技となる地震と、地震と組み合わせることで広い範囲に打点が持てガブリアスの決定力を最大限に伸ばせる逆鱗、採用理由でありバシャーモが呼びやすいファイアローカイリューの処理を楽にするステルスロック、特にバシャーモを選出できない場合に自らが決定力となれる剣の舞とした。ステルスロックの枠は、ガブリアスが単体で機能できるように岩石封じで採用していたことがあったが、ファイアローや後発から来る気合の襷キノガッサの処理が多少楽になるステルスロックがこの構築には必要だった。
持ち物は構築全体で状態異常耐性が不足しておりキノガッサクレッフィに弱かったことから最低限の耐性としてラムの実を持たせた。当初は気合の襷を持たせ、ストッパーとしての役割も担っていたが状態異常耐性が少なすぎたためラムの実とした。しかし今回のオフでは気合の襷であれば有利に戦えた場面があった。
配分はやはりガブリアスの性能が最も高くなるAS。特性鮫肌と最低限の耐久、高い火力によりガルーラに先制技やグロウパンチを打たせづらいポケモンであり、ガルーラに先手を取ることでその強みを引き出せる最速。氷技で倒され対面で負けるにしても先手を取ることに意味があるポケモン
ガブリアス単体として考えると弱い構成ではあるが、相手に合わせて最低限必要な動きは何かということを考えて動かす。そのため相手次第ではステルスロックだけ撒いて捨てるということもあるれば、軸として動かすためにできる限り温存する場面もある。


■霊獣ボルトロス
【持ち物】突撃チョッキ
【技構成】10万ボルト/目覚めるパワー氷/ボルトチェンジ/サイコキネシス
【特性】蓄電
【性格】控えめ
【実数値】171-*-108-209-101-125

バシャーモを見てほぼ確実に選出される化身ボルトロスに対し安定して撃ち合えるポケモンとして突撃チョッキを持たせた霊獣ボルトロスを採用した。突撃チョッキを持つことで化身ボルトロスの他にも特殊全般に対し打ち合ってバシャーモの圏内に入れる。
技構成は、居座って打てる威力命中ともに安定の10万ボルト、ガブリアスボーマンダなどの氷4倍相手を素早く処理する目覚めるパワー氷、相手を削りながら有利対面を作れるボルトチェンジに加え、最後の枠にはサイコキネシスを採用。相手のバシャーモに先に展開されると負ける構築のため、フレアドライブの反動と合わせて倒せるように採用した。10万ボルトでも反動ダメージを合わせることで相手が耐久に割いていなければ高確率で落とすことができるが、電気技か目覚めるパワー氷かの択となる場面で一貫することが思いのほか多かったためサイコキネシスのまま使用した。ただしオフではカバルドンの数などを考えると草結びの方が良かったと思う場面もあったため、この枠はその時の流行や使用する場所に合わせて変えるべきだと感じた。
配分はまず最大の役割対象である化身ボルトロスの目覚めるパワー氷を命の珠による補正込みでも2発耐えるように特殊耐久を設定、物理耐久を上記の理由からメガバシャーモフレアドライブを耐えるようにし、Cをガブリアスメガボーマンダを高乱数1発で倒せるところまで伸ばした後、残りをSに割いて準速70族やその近辺を抜けるようにした。ちなみに実際は理想個体でないためCを少し削っている。ダウンロード対策やゲンガーのヘドロ爆弾などのダメージを考慮すると、BからHに回した配分でも良いが、その場合CやSが更に下がる点には注意したい。
拘らずに高い数値を実現できるため特に特殊に対し幅広く打ち合って削ることができ、ボルトチェンジによる有利対面作成も可能であり非常に優秀であった。また相手からすると拘りの可能性を捨てきれないのか突撃チョッキが読まれないことが意外な程多くありそのおかげで有利になれる場面もあった。最初は補完としての採用だったがメガバシャーモとの相性が非常に良く基本選出の一角にまでなる優秀なポケモンだった。


スイクン
【持ち物】ゴツゴツメット
【技構成】熱湯/凍える風/吠える/リフレクター
【特性】プレッシャー
【性格】図太い
【実数値】203-*-166-111-136-125

削りでありクッションでもあるゴツゴツメット持ちのスイクンゴツゴツメットを持つことで、タイプ相性や耐久を活かしてファイアローやガルーラ、ガブリアスなどを削る。
技構成は、まず水技には熱湯を採用。有利対面を作った際に追加効果を引ければ削り速度が上がるとともに後ろの負担を減らすことができることはもちろんだが、ガブリアスや霊獣ボルトロスがガルーラと対面してしまった場合の交代先となるため、氷技を受けて凍った際に氷を即解除できる点が優秀。氷技にはS操作によるメリットが大きいと考え凍える風を採用した。霊獣ボルトロスを同時に採用しているためスイクンボルトロスの対面で目覚めるパワー氷を撃たれることが非常に多く、霊獣ボルトロスが少しでも削れていると後出しができなくなってしまうが、凍える風を当てることで霊獣ボルトロスが相手の化身ボルトロスに先制できる。そのため最低半分以上のHPさえ残しておけば化身ボルトロススイクン対面は凍える風を撃てば良いという状況が非常に多い。他にもHDボーマンダに羽休め連打で粘られることが無いのも凍える風の強みである。
残りの枠には、まず起点回避のための吠えるを選択。構築全体でピクシーやウルガモスが重く、それらに対し起点にならないようにするために採用。ピクシーに対しては吠えるだけでは対策にならないため、ある程度展開させて持ち物を消費させ、少しでも削れた状態で吠えるようにしたい。またガブリアスステルスロックと合わせて削ることで後ろのポケモンの圏内に入れるといった動きもできる。最後の枠には、スイクンだけでなく他のポケモンの撃ち合いのサポートにもなるリフレクターを採用した。リフレクターによりバシャーモで無理矢理展開することもできる。
配分は凍える風によるS操作を活かすためにSを高めに設定し、耐久を1回竜の舞を積んだメガボーマンダの捨て身タックルを耐えるようにした。凍える風の採用理由からSの最低ラインは凍える風1回で最速化身ボルトロスを抜ける120であると考え、そのすぐ上に準速70族などがいるためそのあたりまで抜けるようにした。ここまでBとSに割くとCに振る余裕は全く無いためクレッフィの身代わりを壊すことは諦めたが、そこはガブリアスにラムの実を持たせることで最低限の対策とした。ちなみにSの実数値が霊獣ボルトロスと同じであるため、この2体を同時選出した場合一方が先手を取れれば当然もう一方でも先手が取れるため片方を切るという選択が容易にでき立ち回りを考えるのが楽になる。
ゴツゴツメットスイクンはあくまでも削るためのポケモンであり、クッションとして扱うポケモンということを意識しておく必要がある。


ニンフィア
【持ち物】拘り眼鏡
【技構成】ハイパーボイス/目覚めるパワー岩/シャドーボール/破壊光線
【特性】フェアリースキン
【性格】控えめ
【実数値】201-*-116-144-150-81

  • B:A194メガガルーラの親子愛捨て身タックルが親:114〜135、子:57-67(急所率込みで約87%で耐える)
  • C:拘り眼鏡考慮で偶数

最後に入ってきたポケモン。この枠は当初拘り眼鏡ラティオスであったが、完全に霊獣ボルトロスバシャーモが軸となってしまったため、ラティオスに代わりその補完として採用できるポケモンを試行錯誤した。結果として化身ボルトロスに対し満足に打ち合えるポケモンが霊獣ボルトロスしかおらず選出が縛られていたため、化身ボルトロスに対する2体目の選択肢としてニンフィアを採用することにした。霊獣ボルトロスが出しづらい場合に出し、メガ進化を選出しない場合の決定力となれる点などを考え拘り眼鏡を持たせた。
技構成は、特性フェアリースキンにより高火力で連打も可能な技となるハイパーボイス、構築全体で苦手なウルガモスリザードンファイアローに対面から起点にならず、化身ボルトロス+炎のような並びに一貫する目覚めるパワー岩、ギルガルド後出しに合わせ大きく削れるシャドーボール、最後の枠にはサイコショックや寝言などが候補に挙がるが、今回はハイパーボイスで足りない場面で無理矢理相手の駒数を減らす技として破壊光線を試験的に採用。打つ場面はほぼないが、ピンポイントな技で拘るのが弱いと考え、それならば瞑想などを積まれた場面でも突破のチャンスを残せる技を採用した方が良いと考えた。
配分はメガガルーラに対し居座れるように控えめでHBに振り切った。霊獣ボルトロスがガルーラに対し非常に弱いため、ガルーラ+霊獣ボルトロスのような並びに対し猫だましから入られなければ居座れるようにした。
ニンフィアを採用したことで打ち合える範囲が広くなったが、同時に呼ぶポケモンが変化したため選出に歪みが生じたり、また低速ポケモンが多くなったことで急所や追加効果による事故が増えるといった部分もあるため、この枠はまだ検討の余地があるように感じた。


【選出】
霊獣ボルトロス バシャーモ @1
この構築の基本選出。ボルトチェンジにより有利対面を作ることができ、高い数値により広い範囲と打ち合える霊獣ボルトロスを初手に置き、削りながら有利対面を作り最終的にバシャーモで一掃するのが理想的な展開。残りの1体には、相手の構築を見て厳しいポケモンを崩す動きができるように選択する。基本選出を3体固定せず、3体目を相手に応じて変えることができるようにすることで多くの相手に対し有利な選出・立ち回りができるようにしている。
この選出をベースに、カイリューファイアローボーマンダのようなバシャーモが起点になってしまう相手が複数いて出しづらい場合はバシャーモ以外のどれが決定力となれるか、マンムーなどがいる場合は霊獣ボルトロスの代わりにハッサムを出すか考える、ステルスロックが必要ならばガブリアスを選出できるかどうか・・・といった形で選出を変えていく。

選出における基本的な考え方は「動きやすい決定力(軸)+決定力を動かしやすくするポケモン(補佐)+2体が苦手な相手への対策(補完)」であり、選出した3体をそれぞれどこに当てはめるかを考えて立ち回る。


【苦手な相手】
ファイアローカイリュー
バシャーモの攻撃技を半減以下に抑えつつ、高火力先制技を持っているためバシャーモがほぼ勝てない上に、強力な積み技を持つためバシャーモを選出すること自体が負けにつながりかねない相手。基本的にこの2体の両方がいる、あるいはこのうち片方+バシャーモに対面から1対1交換ができるポケモンのような並びに対してはメガ進化無しの選出を視野に入れる。

メガボーマンダ
バシャーモの技をどちらも半減でき、メガ進化前の特性威嚇、高火力飛行技によりバシャーモに強いポケモン。目覚めるパワー氷があればステルスロックと合わせて処理ができるが採用していないため厳しい。できればスイクンで処理したいが、本来クッションであるスイクンを雑に扱えないため非常に窮屈な立ち回りを強いられる。

霊獣ランドロス
威嚇によりバシャーモの火力を下げ、地震がこちらに一貫するため厳しい。最近はゴツゴツメットを持った個体も多いためバシャーモの消耗が更に大きくなり全抜きが狙いづらくなる。スイクンでうまく削って処理したい。

ガブリアス
拘りスカーフを持っているとバシャーモが1回加速しても抜けない上に耐久が高いため倒しづらい。スイクンハッサムにより削る。

メガバシャーモ
相手のメガバシャーモを後出しから受けられるポケモンがいないため先に展開されると負ける。バシャーモ入りには取り巻きをうまく削りつつ先にこちらのバシャーモを出さなければいけない。

ライコウ
ガブリアスが対面でライコウに勝てない構成であるためバシャーモの選出がほぼ強制され、ほとんどの場合後ろに霊獣ランドロスが控えているため不利なサイクルを回される。持ち物をや相手の選出を選出画面で断定しながら択に勝つしかない。

リザードン
ガブリアスが気合の襷ででないため先にニトロチャージを積まれると止める手段がほぼ無い。先にステルスロックを撒く必要がある。

身代わりガルーラ
技構成が分からないガルーラに対し加速していないバシャーモは守ることしかできない、スイクンがガルーラの身代わりを壊せないないため、ガルーラに出したいポケモンが逆に起点になってしまう。先にバシャーモガブリアスに展開する、スイクンの吠えるで身代わりを残されないようにする。

電磁浮遊クレッフィ
電磁波+威張る+身代わりのような構成を想定するとクレッフィに対してはガブリアスを出さなければならない。構築段階でほぼ切っている。


【総括】
蜻蛉返りやボルトチェンジにより最低限のサイクルを回しながら有利対面を作りつつ、削りから最終的にバシャーモの一貫を狙う構築となった。
構築全体でスペックが高いポケモンで固めることができ、エースであるバシャーモが相手に先手を取りやすいという点が自分の考え方に合っていた。
実際の対戦では択が多く発生し経験則によって行動を選択しなければならないことも多いが、ニンフィアの枠に入るポケモンや個々のポケモンの構成を微調整することで、立ち回り次第でどのような環境でも戦える構築にはなったと思っている。


最後になりましたが、真皇杯を企画・運営してくださったスタッフの皆様、参加者の皆様お疲れ様でした。ポケモンというゲームを通して非常に楽しい経験をさせていただきました。ありがとうございました!