真皇杯東海地区予選(第6回微粒オフ)使用構築〜霊獣ボルトバシャ〜


■ゲンガー@ゲンガナイト
シャドーボール/気合玉/挑発/道連れ
臆病 149-*-86-163-96-178 → 149-*-106-203-116-200

ハッサム@拘り鉢巻
バレットパンチ/蜻蛉返り/馬鹿力/燕返し
意地っ張り 173-198-126-*-101-86

スイクンゴツゴツメット
熱湯/冷凍ビーム/リフレクター/吠える
図太い 203-*-160-135-136-106

バシャーモバシャーモナイト
飛び膝蹴り/フレアドライブ/剣の舞/守る
意地っ張り 155-189-90-*-91-132 → 155-233-100-*-101-152

ガブリアス@ラムの実
逆鱗/地震/剣の舞/ステルスロック
陽気 183-182-115-*-106-169

ボルトロス(霊獣)@突撃チョッキ
10万ボルト/目覚めるパワー氷/ボルトチェンジ/サイコキネシス
控えめ 171-*-108-209-100-126

※全て理想個体の場合の実数値を記載。実際に使用した個体は非理想値を含む。

【概要】
シングルバトルの非公式全国大会『真皇杯』の東海地区予選である第6回微粒オフで使用した構築。
蜻蛉返り・ボルトチェンジからメガ進化を繰り出す動きを軸とした。
当初は拘り眼鏡ラティオスの火力とSの高さに着目し、ラティオスを中心に構築全体で決定力を押し付けていくことを狙うところからスタートした。ラティオスが作る隙を高火力先制技でカバーでき蜻蛉返りにより有利対面を作れる拘り鉢巻ハッサムを採用、この2体がメガ進化でないことから、このどちらかあるいは両方と同時選出できかつ強力な勝ち筋となるメガ進化を考えた結果、構築全体でガルーラに対し受けに回らずに済む点を評価してバシャーモをメガ進化として採用した。更にステルスロックによりバシャーモの補佐が可能でありながら自らも決定力となれるガブリアス、決定力を動かしやすくするためのクッションでありここまでで厳しくなる相手に対し強くなれるポケモンとしてスイクンと霊獣ボルトロスを採用した。
しかし、蜻蛉返りやボルトチェンジを構築に組み込んでもそもそもラティオスが一貫しないために選出できないことが多く、そのため唯一のメガ進化であるバシャーモを選出の軸に据えることが多かった。その際にバシャーモが動き辛い相手に別方向からアプローチを仕掛ける必要があると感じたため、ラティオスに代わり2体目のメガ進化としてゲンガーを採用することとなった。これにより当初のコンセプトからはやや外れたものの動きに幅ができた。
崩し性能の高いポケモンを多く採用し、どのような選出をしてもどこかで崩しの起点を作れるようにすること、個々のポケモンの性能が出来る限り伸びる構成で採用し、構築全体で受けに回らず自分の勝ち筋を通していくことを意識した。


【個別解説】

■ゲンガー@ゲンガナイト
シャドーボール/気合玉/挑発/道連れ
臆病 149-*-86-163-96-178 → 149-*-106-203-116-200

軸であるバシャーモが動き辛い受け回し系統の構築に対し出していけるメガ進化として採用。
技構成は、タイプ一致で安定して撃てるシャドーボールシャドーボールと合わせて最も広い範囲に等倍以上の打点となる気合玉、処理の難しい相手を確実に処理できる道連れ、道連れと相性が良く相手の展開を妨害できる挑発。挑発の枠は身代わりと選択だが、低火力ポケモンの補助技を妨害することで1対1交換以上を取りやすくするため挑発とした。フェアリーへの打点としてヘドロ爆弾(ヘドロウェーブ)も欲しくなるが、バシャーモが出しづらい場合に格闘打点があったほうが出しやすいと考えたため気合玉を選択した。滅びの歌や状態異常を絡めた構成も強力ではあるが、あくまでも軸ではなく第2のメガ進化という立ち位置であるため、選出に組み込みやすくするために対応範囲を広げることを重視した。
配分はXY時代の流用だが、最低限の耐久を確保しつつCをハッサムの蜻蛉返りと合わせてガブリアスを倒せるように設定。ガブリアスが減っていることを考えると再考の余地はある。
高いCとSを持ちながら特性影踏みにより相手の交代の権利を一方的に奪うという他には無い性能を持つが、相手のポケモンと安易に1対1交換をしてしまうと逆に不利になるため、繰り出すタイミングや1対1交換を狙う相手を慎重に選ぶ立ち回りが求められる。


ハッサム@拘り鉢巻
バレットパンチ/蜻蛉返り/馬鹿力/燕返し
意地っ張り 173-198-126-*-101-86

蜻蛉返りにより削りながら有利対面を作ることができ、高火力先制技により自身が終盤に抜いていく動きが可能な拘り鉢巻持ちのハッサム
技構成は、高火力先制技で終盤に一掃する動きのためのバレットパンチと、削りながら決定力を安全に繰り出す蜻蛉返りが確定。炎技の無いガルーラを素早く処理する、ハッサムが呼ぶヒードランの後出しに合わせることで突破するといった用途に馬鹿力。格闘タイプへの打点を意識して燕返しを選択した。燕返しの枠はどのような技を選択しても撃つ機会は非常に少ないが、ゲンガーを採用したことで相手の格闘タイプを一撃で倒せるポケモンが減ったためはたき落とすなどより燕返しを優先した。
配分は最初はAを削り耐久に多めに振っていたが、構築全体で重いHBクレセリアを意識し、蜻蛉返りのダメージが最も大きくなるところまでAに割いた。
ラティオスを採用していたときの名残のような部分が強いが、蜻蛉返りからメガ進化をはじめとした裏の決定力を繰り出す動きは分かりやすい勝ち筋で扱いやすく、また構築全体で薄くなりがちなマンムーなどへの圧力にもなれるため構築内で重要な立場ではある。


スイクンゴツゴツメット
熱湯/冷凍ビーム/リフレクター/吠える
図太い 203-*-160-135-136-106

決定力の補佐として削りおよびクッションとなれるポケモンとして採用。
物理相手の打ち合いを有利に進めることができ、削りにより後続の決定力の補佐にもなるゴツゴツメットを持たせた。
技構成は、水技には追加効果が優秀で相手の交代先にも3割で定数ダメージを入れられるため交代という行為自体にリスクを負わせることが可能な熱湯。波乗りやハイドロポンプの方が等倍以上の打点としては強力だが、水半減相手にスイクンを選出しなければならない場合に威力よりも追加効果が優秀になるため熱湯を選択した。メガボーマンダを意識し氷技である冷凍ビームを採用。自らが打ち合える範囲を広げつつ後ろの負担を減らせるリフレクター、起点を回避できガブリアスステルスロックと合わせることでダメージの蓄積も狙える吠えるを採用。
配分は無振りメガボーマンダを落とせるCを確保することで最低限ボーマンダの起点にならないようにし、残りを耐久に回した。冷凍ビームでなければメガボーマンダへのダメージが足りないことから凍える風を切ったことでSを伸ばす必要が薄くなったため、耐久に割いて少しでもボーマンダに有利になるようにした。
受けるポケモンではなく、広く打ち合い削るポケモンというイメージ。スイクンで相手の特定のポケモンを倒そうという意識が強いほど立ち回りが窮屈になるということは常に頭に入れておきたい。


バシャーモバシャーモナイト(特性:猛火→加速)
飛び膝蹴り/フレアドライブ/剣の舞/守る
意地っ張り 155-189-90-*-91-132 → 155-233-100-*-101-152

今回の構築の一番の軸となるメガバシャーモ。メガ進化にバシャーモを選択した理由は、高いSからタイプ一致技を撃ち分けられるため不特定多数の相手に対し自由に行動させないことと、ガルーラに先手を取りつつ一撃で落とせるため受けに回る必要性が構築全体で下がることの2点。
技構成は、ガルーラを倒すための格闘技には飛び膝蹴りを採用。スイクンを2発で落とせる程の火力があり、馬鹿力のような能力低下も無いため居座って全抜きが狙いやすい。全抜きを更に狙いやすくするため、もう一つのタイプ一致技であり高火力・命中安定のフレアドライブを採用。メガ進化と加速の起点を自ら作るために守る。また有利対面から崩し・全抜きを狙うため剣の舞を採用した。雷パンチやはたき落とす、目覚めるパワー氷等があればバシャーモに繰り出される相手を大きく削ることも可能だが、倒しきれないために交代を強要される場面を減らしたいと考え、受け身な相手に対しバシャーモ自身が崩しの起点となれる剣の舞を選択した。ただし起点作りに特化した構築ではないため、剣の舞を使う起点は作るものではなく見つけるものということを意識しておく必要がある。
配分はメガバシャーモの性能を最も伸ばせる意地っ張りAS。陽気にすると加速一回で拘りスカーフ持ちの最速霊獣ランドロスや同準速ガブリアス等を抜けるようになるが、立ち回りで補いづらい火力を優先したいと考え意地っ張りで採用した。
高い火力とS、広い範囲により不特定多数の相手に有利を取ることができるという点は構築の軸を決定する上で重要な要素であると考えている。
火力だけなら命の珠バシャーモに劣るものの耐久の上昇と消耗の少なさから相手の技や定数ダメージの圏内に入りづらく、結果的に数的有利を作りやすいという点が大きい。


ガブリアス@ラムの実
逆鱗/地震/剣の舞/ステルスロック
陽気 183-182-115-*-106-169

ステルスロックにより後ろの決定力を補佐しながら、自らも決定力となれるガブリアスを採用。マンムーでない理由は、汎用性を維持しつつガルーラの起点になる部分を極限まで減らしたかったこと、見かけ上リザードンに強いポケモンであるということ。
持ち物の候補として一番に挙がるのは気合の襷であり、実際当初はストッパーとしての役割も持っていたため気合の襷で採用していたが、構築全体で状態異常耐性が不足しておりクレッフィキノガッサに不利であったことからラムの実に変更した。これによりストッパーとして扱うことができなくなり、先に展開する動きがより重要になり立ち回りがシビアになったものの、低速で状態異常技を撃つ相手に対しステルスロックや剣の舞を使用する隙を作ることが可能になった。
技構成は、採用理由からステルスロックが確定。威力命中安定で連打でき削りとして優秀な地震ガブリアスの最高打点であり地震の通らない相手に対して圧力を掛けられる逆鱗。最後の技には、自ら相手を崩していく動きが出来るよう剣の舞を採用した。
配分はガブリアスの性能が最も高くなる陽気AS。メガガルーラというポケモンが存在する以上、スカーフとメガ以外のガブリアスはガルーラに上から削りを入れられるよう最速を確保するべきだと考えている。
欲張った構成ではあるが、役割を明確に持たせるよりも、選出や立ち回り、相手の構築に合わせて動きを変えられるようにした方がガブリアスの対応範囲の広さを活かせると考えた。


ボルトロス(霊獣)@突撃チョッキ
10万ボルト/目覚めるパワー氷/ボルトチェンジ/サイコキネシス
控えめ 171-*-108-209-100-126

スイクンとともに決定力の補佐として採用。構築全体で厳しい化身ボルトロスに対し打ち合えること、先に展開されると負けるバシャーモに1対1交換が狙えること、ファイアローボーマンダ等に対し見かけ上有利な点を評価した。
技構成は、マリルリスイクン等の水タイプに対し居座って打ち合うための10万ボルト、ガブリアスランドロスボーマンダへの打点となる目覚めるパワー氷、削りながら決定力を繰り出すボルトチェンジ、最後の枠にはゲンガーやバシャーモに対し対面から1対1交換が狙え、フシギバナ等への強い削りにもなるサイコキネシスを採用した。気合玉があればバンギラスナットレイ、ポリゴン2等に対し強気に立ち回ることもできるが、バシャーモと同時選出することが多く気合玉の必要性をあまり感じず、相手のバシャーモに先に展開されると負ける構築であることに加え、構築全体で薄くなりがちな相手への削りを重視したいと考えサイコキネシスを選択した。
配分はまずバシャーモに対しフレアドライブを耐える耐久を確保し、HPを化身ボルトロスの命の珠目覚めるパワー氷を2発耐えるように設定。Sは準速キノガッサやその近辺などを意識して必要最低限に留め、Cをできる限る高めてボーマンダガブリアスに隙を見せづらくした。もともとは最速70族抜きまでSに振っていたものの、目覚めるパワー氷の火力不足を感じたこと、理想個体でない場合に最速70族抜きが確保できず配分に無駄が生じることからSを落としCを高めた。
もともと補完として採用したポケモンではあるが、数値が高く打ち分けが可能なため削りとして優秀で、高火力のボルトチェンジにより削りながら後ろの決定力を繰り出す動きにより完全に構築の軸となってしまった。


【選出】
「動かしやすい決定力(軸)+決定力を動かしやすくすることができるポケモン(補佐)+この2体で厳しい相手に強いポケモン(補完)」という考えを基本に選出を決定する。また、選出した3体がそれぞれどこに当てはまるかを意識して立ち回りを考えることが多い。
バシャーモが不特定多数の相手を上から縛ることができるため基本的にはバシャーモを軸として考えるが、メガ進化無しの選出をすることもあり、むしろメガ進化無しの選出パターンを作れるよう構築を組むべきだと考えている。
軸となるポケモンが苦手な相手に対しては、極力残り2体の両方が有利になるようにし、どちらかを雑に扱って軸ともう一体が自由に動きやすい状況を作ることを心がける。

【総括】
蜻蛉返りやボルトチェンジから決定力を繰り出す動きを軸とし、自分の勝ち筋を押し付けやすくするようそれぞれを単体性能の高い構成で採用するように、特に数値の伸びる持ち物を多く採用するように心がけた。
全体的に先に展開して崩すことを意識しているためリカバリーが利きづらい構築になっているが、上記の選出や立ち回りを意識すれば有利な択で対戦を進めることができると考えている。
構築の欠点としては、依然として高耐久のポケモン、特にカバルドンが非常に厳しい点、リザードン入り等には初手の選出から択になってしまうことも多い点、HP管理が非常に難しく択が発生する場面が多い点等。
欠陥が山のようにある構築ではあるが、メガバシャーモ軸の構築が比較的自分の考え方に合っていることに気づけたため、今後はもっと勝率を高めるために構成を最適化することを意識したい。