ポリ2ブシン軸トリックルームパーティ

ポケモン 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
ポリゴン2 進化の輝石 10万ボルト 冷凍ビーム 目覚めるパワー格闘 トリックルーム ダウンロード
ローブシン 命の珠 マッハパンチ アームハンマー 冷凍パンチ 雷パンチ 力ずく
ガブリアス 気合の襷 逆鱗 地震 火炎放射 剣の舞 鮫肌
ウルガモス ラムの実 オーバーヒート 虫のさざめき 目覚めるパワー氷 蝶の舞 炎の体
ブルンゲル 拘り眼鏡 潮吹き シャドーボール 波乗り ギガドレイン 貯水
ボルトロス オボンの実 10万ボルト 目覚めるパワー氷 身代わり 悪巧み 蓄電

3月2日の第8回キツネの社mfで使おうと思っていた構築です。今回は申請が遅れてしまいまさかの0次予選敗退という結果に終わってしまいました。残念ではありますが現在のポケモン対戦は非常に活気があるということを実感しました。

パーティ解説に移ります。今回はトリックルームポリゴン2とローブシンを軸に組みました。
ポリゴン2は進化の輝石による耐久力の上昇および特性ダウンロードによる火力補正により数値が非常に高いため打ち合いに強く、またトリックルームによりドリュウズ等の天候パーティのエースに対し好きなタイミングで切り返すことができることから高速アタッカーに非常に強いポケモンと言えます。一方、相手の積みの起点になりやすく、積み技を持つ高耐久のポケモンに弱いことが欠点となります。
このポリゴン2を活かすために、トリックルーム下において高い制圧力を持つローブシンを採用し、またポリゴン2が勝てない相手に対しては高火力で圧力を掛ける、あるいは起点にするポケモンを採用しました。トリックルーム前提の低速ポケモンだけでなく、単体性能の高い高速ポケモンを組み合わせることで、トリックルームが無くとも攻めていけるパーティになるよう意識しました。

以下個別解説です。

ポリゴン2
控えめ 191-*-111-171-116-80(244-*-8-248-8-0)

  • H:16n-1

今回の構築の軸となるトリックルームポリゴン2です。採用理由はかわいいからです。
数値の高さから打ち合いに強く、トリックルームにより相手の天候エースや積み技持ちアタッカーに対して好きなタイミングで切り返すことができます。特に手動でS関係を逆転できるというところがポイントで、基本的には範囲の広さと数値の高さを活かして打ち合いながら、相手が攻めに入るタイミングでトリックルームを発動することで一気に自分の展開に持ち込むことができます。トリックルーム起動要員というよりは、トリックルームのギミックを持つ数値の高い汎用アタッカーといった印象でしょうか。一度使うと癖になる強さがあります。
打ち合いに非常に強いことが魅力ですが、キノガッサウルガモスといった苦手な相手の起点になりやすいため、それらがいるパーティ相手には注意して立ち回る必要があります。
技構成は、このポリゴン2最大の武器とも言えるトリックルーム、ドラゴンへの打点となる冷凍ビーム、主に水タイプへの打点として10万ボルト、バンギラスヒードランマンムーへの削り手段として目覚めるパワー格闘としました。攻撃技に関してはこの3つが最も範囲が広く使いやすいと思いますが、ローブシンに負担を掛けられるサイコキネシスやタイプ一致で一貫性が高いトライアタック、ハッサムナットレイを倒せる目覚めるパワー炎、ウルガモスに隙を見せない恩返し等入れたい技が多くあるためパーティと相談しながら吟味したいところです。
配分は火力と耐久を伸ばし打ち合いに強くするためにHCぶっぱとしました。Cを伸ばすことで打ち合い時やトリックルーム下において弱点を突きやすい範囲の広さが活きてくると思います。ちなみに進化の輝石とダウンロードの補正を合わせると実数値にして 191-*-166-256-174-80 という非常に高い数値になります。

ローブシン
意地っ張り 189-211-135-*-86-69(68-252-156-*-4-28)

今回の構築の軸の一つで、ポリゴン2のトリックルームから繋いでエース運用するためのローブシンです。低いSと3色パンチによる範囲の広さ、高い火力によりトリックルーム下で非常に高い制圧力を持っています。先制技と高い耐久力も兼ね備えておりトリックルームが無くても打ち合っていける性能も持っています。
技構成は、ローブシン最大の武器の一つであり、高い打ち合い性能を引き出せる高火力先制技のマッハパンチ、力ずくと命の珠の補正により無振りカイリューをマルチスケイルを貫通して倒せる冷凍パンチ、水タイプへの打点であり呼ぶゴースト等に対して一貫しやすい雷パンチ、またメインウェポンにはトリックルーム下において高火力で連発可能なアームハンマーを採用しました。この3タイプ+マッハパンチの撃ち分けによる範囲の広さがローブシンの一番の武器であると言えます。
今回は上記の通りカイリューへのダメージを考慮し特性は力ずく、持ち物は命の珠での採用となりました。鉄の拳で使用していた時期がありましたが、カイリューに冷凍パンチを耐えられて負けた試合が何度かあったため力ずくを選択しました。また、対カイリューを考慮せずとも、ローブシントリックルーム下でアームハンマーが一貫する場面以外では冷凍パンチと雷パンチを撃ち分けることが多く、この二つの威力を最も引き出せて命の珠の反動ダメージも無くなる力ずくがこのパーティにおいては使いやすいと判断しました。
配分はまず火力を最大まで伸ばし、命の珠の反動ダメージが入る場合を考慮してHPを10n-1とし、Sは非トリックルーム下でカバドリに対し有利になるよう4振りカバルドンを抜けるよう調整。ローブシンが攻撃を受けることになる非トリックルーム下においては物理方面を相手にすることが多いことから残りはBに配分しました。
今回は撃ち分けのしやすさを重視して力ずく+命の珠での採用ですが、格闘技を一貫させやすいパーティ構成であれば鉄の拳+拘り鉢巻きのような組み合わせも面白いかもしれません。また配分に関してもD方面を伸ばすかどうか、トリックルーム下での運用を考慮しSをもっと落とすか等、まだまだ検討の余地があると思います。技構成に関しても、アームハンマーには力ずく補正が掛からないため、鉄の拳アームハンマーと同等の瞬間火力が出せる馬鹿力も候補に挙がると思います。

ガブリアス
陽気 183-182-116-90-105-169(0-252-4-0-0-252)

ポリゴン2、ローブシンともに低速であり、またウルガモスに弱いため、これらの弱点を埋めることができる物理ドラゴンが必要になりました。そこで今回は、高速・高火力でトリックルームが無くとも動きやすく、かつ先発で出しやすい気合の襷ガブリアスを採用しました。この枠はウルガモスの目覚めるパワー氷と暴風以外を半減でき、舞われても神速で上から殴れるカイリューでも良かったのですが、先発で出せて最低限の仕事ができることや、電気無効であること、素のSが高く常に動きやすいといった理由から今回はガブリアスを採用しました。高速・高火力を活かして序盤に場を荒らしたり、終盤での一掃、襷を活かしたストッパー等、様々な使い方が可能だと思います。
技構成は、タイプ一致でメインウェポンとなる逆鱗と地震エアームドを削る火炎放射、火炎放射と合わせて受けループを突破するための剣の舞としました。エアームドに対しては火炎放射では火力不足ですが、Dを伸ばしたエアームドには大文字でも受けきられること、PPや命中率、追加効果を考慮すると、エアームドに対し羽休め連打以外の選択肢を与えずPP勝負で勝てる火炎放射が良いと判断しました。相手の後発にいるウルガモスの対策としてステルスロックも欲しいところですが、このパーティではサポートよりもガブリアスの単体での攻撃性能を活かして目の前の相手を削る、また有利対面からは剣の舞により全抜きを狙いたいと考えこの構成としました。
持ち物は先発で出す場合に一回の行動が補償でき、後発に置く場合もストッパーとしての働きが期待できる気合の襷としました。
配分はガブリアスの攻撃性能を最大限に活かすことのできる陽気ASぶっぱとしました。火炎放射によるエアームドへのダメージを増やすために無邪気にしても確定数がほとんど変わらないため陽気で良いと判断しました。
特性は砂隠れにしても恩恵を受ける場面が少ないパーティであるため、接触技を撃ってきた相手を削ることができ、襷があればカイリューにも後出しできる鮫肌としました。

今回ガブリアスの採用理由の一つとして電気無効であることを挙げたことに関して、個人的な考えになりますが、私はパーティ内に電気無効ポケモンを最低1体、それもいろいろな選出に組み込める汎用性の高いポケモンを採用することは必須だと考えています。理由は化身ボルトロスの電磁波と電気タイプの眼鏡ボルトチェンジへの耐性を持たせるためであり、前者は簡単に電磁波を通してしまう構築は素早さを奪われるだけでなく常に25%の負け筋が存在すると言え、また後者は眼鏡電気に対し一度不利な対面を作ってしまうと常に不利なサイクルを回し続けることを強いられるからです。今回は最終的に霊獣ボルトロスが入ってきましたが、それでも電気の弱点を突ける電気無効枠としてガブリアスの存在は大きいと思います。

ウルガモス
臆病 161-*-92-180-125-167(4-*-56-196-0-252)

ポリゴン2とローブシンが苦手とするキノガッサラティオスクレセリアへの対策、またパーティ全体で薄くなりがちなユキノオーに強いポケモンとしてウルガモスを採用しました。特にポリゴン2がポイズンヒールキノガッサのループを抜け出すことができないため、死に出しでも後出しでもキノガッサをある程度安定して処理できるラムの実持ちウルガモスは非常に扱いやすいと思いました。ポリゴン2と同時選出する場合にポリゴン2を状態異常等で止めに来る相手に対し起点にして全抜きを狙う動きができるのも魅力的です。
技構成は、タイプ一致でクレセリアラティオスへの打点となる虫のさざめき、全抜きを狙える蝶の舞、炎技にはローブシンやサンダー等への圧力を考えオーバーヒートを採用、またPT全体で薄いカイリューに隙を見せないために目覚めるパワー氷としました。
持ち物はキノガッサに対し後出しできるようラムの実としました。ポイズンヒールキノガッサに身代わりを残されても一回は行動できるため、キノガッサの処理が楽であると感じました。ただ岩技持ちのキノガッサも少なくないため、基本的にはキノガッサにできるだけ行動させないよう慎重に立ち回る必要があります。
配分はマンムーがPT全体で重いため陽気マンムー地震+氷の礫耐えまでBに振り、残りをCSに振って攻撃性能を高めました。臆病にすることで霊獣ランドロスグライオン、非砂下でのドリュウズ等も抜くことができます。ただ配分に関しては控えめの火力が欲しくなる場面もあり、もっと煮詰めるべきかもしれません。キノガッサの処理をウルガモスにほぼ一任しており、気合の襷で岩技持ちのキノガッサの処理が非常に難しいことが欠点となるため、キノガッサの処理方法はもっと深く考えるべきだと思います。

ブルンゲル
控えめ 191-*-91-148-132-92(124-*-4-236-52-92)

ポリゴン2のトリックルームから展開する第2のアタッカーとして眼鏡ブルンゲルを採用しました。ポリゴン2の弱点である格闘技を無効化し、ウルガモスに対しても圧力を掛けることができます。トリックルーム下で動くポケモンとしてはSはやや高めですが、その分トリックルームが無い場合も遅い相手に高火力を押しつけることができます。サイクルを回しづらいこのパーティにおいて、耐性の優秀さを活かし後出しから多くの相手に負担を掛けられることが強みです。
技構成は、最大火力であり命中も安定の潮吹き、威力命中共に安定のシャドーボールと波乗り、ラストの枠には、PT全体で水タイプがきついためギガドレインを採用しました。ブルンゲルが特性貯水を活かして水タイプに繰り出すことも考えてギガドレインを採用しましたが、威力が低いことは否めないため、カイリューを一撃で倒せる吹雪、パーティ全体が苦手とする高耐久ポケモンを崩すことができるトリック等、4つ目の枠はパーティと相談しながらいろいろ試したいところです。
配分はごく一般的な眼鏡ブルンゲルの配分をそのまま流用しました。HPを16n-1となる191まで抑えつつ特殊耐久はラティオスの眼鏡流星群耐えを確保、眼鏡シャドーボールで無振りラティオスを倒せるようにしています。この火力と耐久の両立によりカバドリラティに対し初手に安定して出していくことができます。Sはメタグロス等に対し対面から負担を掛けられるよう4振り70族抜きまで振っていますが、この辺りはSをもっと伸ばしていることが多く、またトリックルーム下で動くことや物理耐久が若干不安であることからもう少しBに回しても良いかもしれません。
耐性が優秀とは言え物理耐久はそれほど高くないため、物理を相手にする際は注意する必要があります。

ボルトロス
臆病 173-*-105-173-103-155(148-*-120-60-20-156)

このパーティにおける最後の補完として霊獣ボルトロスを採用しました。
この枠の条件として、パーティ全体でスイクンに対する処理速度が遅いためスイクンに確実に負担を掛けられること、化身ボルトロスに有利であること、上記5体全員に地面が等倍で入るため地面技に耐性を持つことがありました。また、ポリゴン2が軸である以上、キノガッサに対しこれ以上弱くならないことが必要でした。これらの条件に身代わり持ちの霊獣ボルトロスが当てはまると考え採用しました。単純にこれらの苦手な相手への対策としてだけでなく、有利対面から身代わりと悪巧みを使うことで全抜きを狙うこともできます。
技構成は、タイプ一致で威力・命中ともに安定した10万ボルト、電気との相性補完に優れドラゴンや地面タイプへの打点となる目覚めるパワー氷、有利対面を作った場合の安定択として身代わり、火力補助および全抜きを狙う目的で悪巧みとしました。目覚めるパワーのタイプはキノガッサを確実に倒せてローブシン等の他の格闘にも確実に負担を掛けられる飛行の方が良いかもしれません。
持ち物は悪巧み霊獣ボルトロスの一般的な持ち物であるオボンの実ですが、今回この持ち物としたのは積む機会を増やす他に、有利対面で確実に身代わりを残せるようにするためです。相手が交代すれば当然身代わりを残すことができ、またキノガッサガブリアスに対して相手がスカーフであればストーンエッジを耐えてオボンで回復しながら身代わりを残すことができます。ただキノガッサに対してはあくまで誤魔化しでしかないため、目覚めるパワーをキノガッサを確実に倒せる飛行にするか、あるいは他のポケモンに任せるべきだと思います。実際にここで想定しているように上手く身代わりが残せるかは分かりません…。
配分は上記の理由から身代わりを残しやすくするためと悪巧みを積む機会を増やすために耐久に多めに配分しました。
この枠はまだ十分に煮詰め切れていないため、更に検討を重ねる必要があると思います。

解説は以上となります。
パーティ全体の弱点としては、やはりトリックルームの継続ターンが実質4ターンしかないために、高耐久ポケモントリックルームのターン数を稼がれてしまうと厳しいというところでしょうか。ポリゴン2が回復手段を持たず、トリックルームが切れたところでポリゴン2が倒されてしまいそのまま負けてしまうことも多々あります。また、トリックルーム以外に明確な勝ちパターンが確立できていないことから、選出もパターン化できておらず、相手に合わせた選出をして対応する必要があり選出が難しいところもあります。積み技持ちが多いにも関わらずそのサポートを行うポケモンがいないため、積む機会を作りづらいことが原因の一つではないかと思います。
ただ、逆に言うとトリックルームのターン数を稼ぐ手段を持っていない相手には数値の高さを活かしごり押しで勝負を決めることができることから、得意不得意がはっきり分かれる構築と言えると思います。

この構築を使い、一番魅力を感じたのはやはりポリゴン2の打ち合い性能の高さでした。個別解説にも書いたように、進化の輝石とダウンロードによる数値の高さ、豊富な技による範囲の広さを活かして様々な相手と打ち合うことができ、トリックルームにより高速アタッカー相手にも切り返せることが非常に強力でした。まだまだ立ち回りやパーティの細かい部分が煮詰め切れておらず結果も残せていませんが、このポリゴン2は今後も使っていきたいので、このパーティで得られた反省点を次の構築に繋げたいと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。