第9回キツネの社mf使用構築〜トリルブルン入りボルトガブスタン〜
ポケモン | 持ち物 | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|
ボルトロス | 電気のジュエル | 10万ボルト | 目覚めるパワー氷 | 電磁波 | 挑発 | 悪戯心 |
ガブリアス | ドラゴンジュエル | 逆鱗 | 地震 | 身代わり | 剣の舞 | 砂隠れ |
ウルガモス | オボンの実 | オーバーヒート | 虫のさざめき | 目覚めるパワー氷 | 蝶の舞 | 炎の体 |
ブルンゲル | 水のジュエル | 潮吹き | 波乗り | シャドーボール | トリックルーム | 貯水 |
パルシェン | 命の珠 | 氷柱針 | ロックブラスト | 氷の礫 | 殻を破る | スキルリンク |
キノガッサ | 気合の襷 | マッハパンチ | 種マシンガン | ローキック | ストーンエッジ | テクニシャン |
5月18日に開催された第9回キツネの社mfに参加した際に使用したパーティです。
今回は無天候のスタンパに挑戦してみました。スタンパは特定の勝ちパターンが存在せず選出や立ち回りを相手に合わせていく必要があり扱いが難しい印象がありました。そこで今回は強力な積み技を持ち全抜き性能の高いポケモンと、そのサポートとして化身ボルトロスや襷キノガッサといった対面性能が高いポケモンを組み合わせ、積みサイクルのような動きを軸としつつ対面処理も可能な構築にすることで、スタンの武器である幅広い対応能力を残しつつ勝ちパターンを作りやすい構築になるよう意識しました。
まず着目したのは化身ボルトロス+ガブリアス+ウルガモスの組み合わせです。化身ボルトロスの挑発で相手に起点にされないようにしつつウルガモスの起点を作ったり、相手のバンギラスを呼びつつ電磁波からガブリアスの逆電磁波砂に展開する形を取りました。またそれぞれが対面性能も高く積み技を使わなくても動ける、キノガッサに隙を見せにくい組み合わせである、単純に相性補完に優れているといったことも強みであると言えます。相性補完が優れているため特別なサポートが無くても積み技を使うことができる組み合わせとなっています。
これに加え、ウルガモスやボルトロスが呼びやすいカイリューを起点にできるパルシェン、初手に出した際の対面での処理能力の高さや全抜きストッパーとしての役割を期待しキノガッサ、またドリュウズのような、積み技持ちに対し更に上からの打点を持つ相手に対する切り返し手段としてトリルブルンゲルを採用しました。
以下個別解説です。
ボルトロス
臆病 155-*-90-177-100-179(4-*-0-252-0-252)
今回の構築の中心とも言える化身ボルトロスです。基本的に先発で出し範囲の広さを活かし相手を削る、挑発と電磁波により相手の展開を妨害しつつ後続をサポートするといった役割になります。
技構成は、タイプ一致技で威力命中共に安定の10万ボルト、電気技との補完に優れ氷4倍竜への打点にもなる目覚めるパワー氷、相手のSを下げガブリアスやウルガモスへの展開をサポートする電磁波、相手の展開を妨害できる挑発としました。挑発は相手に積み技等を使わせないようにしつつ攻撃されて落ちるといった動きができ起点作りに非常に有効でした。
持ち物は削り速度を大幅に速めることができる電気のジュエルとしました。スイクンを一撃で落とせるようになるだけでなく、等倍でも大きく削ることができるため後続の圏内に入れやすくなります。
配分は特に耐えたい攻撃等がなく、むしろ起点作りのために早く退場して欲しいことや、単体での火力を伸ばして相手を削れるようにしたかったためCSぶっぱとしました。
とにかく挑発が便利で、相手の起点にならずに味方の起点を作る動きが非常に強力でした。基本的にはサポート役ですが高いSと広い攻撃範囲により単体での削り性能も魅力的なポケモンです。
オフでは起点構築相手に上手く挑発で展開を妨害できた試合がありましたが、それ以外はあまり目立った活躍はありませんでした。とは言え単体性能が非常に高く相手の選出を縛ることもできるためこの構築では必須の存在であることは間違いないと思います。
ガブリアス
陽気 183-182-116-*-105-169(0-252-4-*-0-252)
ボルトロスの電磁波から展開するアタッカーであるガブリアスです。無天候パーティであることと、ボルトロスやウルガモス、パルシェン、ブルンゲルといったポケモンがバンギラスを呼びやすいことを逆手に取りボルトロスの電磁波から展開する所謂「逆電磁波砂」のギミックを組み込みました。ただ逆電磁波砂のギミックは相手に依存する上に確率が絡むため安定し辛く、確率まで考慮しなければいけない構成は立ち回りが複雑化してしまう恐れもあります。こういった問題を解消するため、火力で押し切ることもできる構成にすることで逆電磁波砂のギミックが機能しなくても単体で動けるようにしました。
技構成は、タイプ一致技で高火力の逆鱗と地震、逆電磁波砂のギミックだけでなく有利対面での安定択となりやすい身代わり、身代わりを残せた場合に全抜きを狙ったり、ジュエルと合わせて高耐久ポケモンを崩すために剣の舞としました。
持ち物は瞬間的に決定力を出せて、剣の舞と合わせてスイクンやクレセリアといった高耐久ポケモンを崩せるドラゴンジュエルとしました。ドラゴンジュエルを持つことで155-101キノガッサを逆鱗一発で落とせるためキノガッサの起点にされ辛くなります。このように絶妙な耐久ラインの相手を落としきれるのがジュエルの強みでもあると言えます。
配分は単体での決定力を重視し陽気ASとしました。地球投げを身代わりが耐えることができませんが、Hに振って身代わりを残せるようにするより決定力を伸ばした方が単体での運用がしやすくなると考え全てASに振りきりました。
単体での攻撃性能が高く身代わりとの相性も良いため非常に使いやすいと感じました。なおオフ当日は逆電磁波砂のギミックが決まることはありませんでした・・・。
ウルガモス
控えめ 164-*-95-198-125-146(28-*-80-196-0-204)
- H:オボン意識の4n
- B:A200ガブリアスの逆鱗を高乱数耐え(13/16)、A186カイリューの鉢巻き神速をオボン込みで高乱数2耐え(約95%)
- C:虫のさざめき+ガブリアスのジュエル逆鱗で207-148-135スイクンを高乱数(約95%)
- S:最速80族+1
今回のパーティを構築する一番のきっかけとなったのがこのオボンの実持ちウルガモスです。
ウルガモスは蝶の舞から全抜きを狙う動きが非常に強力ですが、高火力で圧力を掛けられると低い物理耐久ゆえに簡単に相手の先制技圏内に入ってしまうことが欠点だと感じていました。そこでオボンの実を持たせることで相手の先制技の圏外に逃れたり、強引に積む回数を増やしたりすることでより全抜きを狙う動きがしやすくなると考えました。HPを偶数にすることでステルスロックを受けた際ちょうどオボンの実が発動するため、ステルスロック+先制技のような形でウルガモスを見ている相手に対し動きやすくなります。
技構成は、無振りボルトロスや少し削れたローブシンを落とせるなど瞬間的に必要な高火力を出せるオーバーヒート、構築全体で重いラティオスへの打点として虫のさざめき、キノガッサ対面で裏のガブリアスまで一貫しカイリューにも隙を見せない目覚めるパワー氷、特殊を起点にする蝶の舞としました。今回の構築は鋼タイプがいないことによりドラゴンに対し耐性がないため、相手のドラゴンに対し出来る限り隙を見せないよう目覚めるパワー氷を搭載しています。目覚めるパワー氷を打ちたい相手は主にカイリューですが、カイリューを「倒す」ためではなく、「起点にならない」ために搭載しています。
配分は、まずHPをオボンの実の回復量が増加する4nまで伸ばし、オボンを持つことでマンムーに有利になること、目覚めるパワー氷によりカイリューに隙を見せないために最速80族抜き、Cは呑気HCスイクンをガブリアスの逆鱗と合わせて突破できるようにし、残りをBに配分してガブリアスの逆鱗を高確率で耐えられるようにしました。グライオンや霊獣ランドロス、ストーンエッジ持ち意地っ張りスカーフガブリアスを意識すると性格は臆病にしたいところですが、オーバーヒートで相手のボルトロスを落としたり、上記の通りスイクンをガブリアスとの連携で倒すには控えめの火力が必要でした。その結果いろいろと妥協した配分になってしまっています。
持ち物をオボンの実とすることによる弊害としてまず考えられることは、ラムの実を持てなくなるためキノガッサに後出しできなくなるということですが、今回の構築では化身ボルトロスやガブリアスといったキノガッサ対面に強いポケモンを並べ、キノガッサに対し引く場面を出来る限り作らないようにしました。キノガッサに対面から圧力を掛けることができるポケモンを並べることで選出段階で圧力を掛け選出させない、選出されても対面から最低限嵌められないようにすることで、キノガッサ対策を必要最小限に抑えることができ他の相手への性能を確保できるのではないかと考えました。
ただ今回のオフではオボンを有効に使える場面があまり無かったため、ボルトロスやキノガッサ、レパルダスに対する保険としてラムの実、バンギラスを倒しやすくするよう虫のジュエル等でも良かったかもしれません。
ブルンゲル
控えめ 191-*-91-148-132-92(124-*-4-236-52-92)
- H:16n-1
- D:C182ラティオス眼鏡流星群最高乱数以外耐え
- S:4振り70族+1
ウルガモスやローブシン、ハッサム、雨、カバドリ等に強くなるように採用した水ジュエル持ちのトリルブルンゲルです。
もともとこの枠はジュエルハイドロポンプスイクン(カバドリで使用したものと同一個体)だったのですが、特にドリュウズ入りに対して勝率が低く何かもう一工夫必要だと思いました。そこで単純に打ち合うだけでなくS関係を逆転させる手段を持つことでより自分から展開する動きができ、相手の後続にまで負担を掛けることが可能になると考えオフ前日に変更しました。
技構成は、最大火力の潮吹き、威力命中ともに安定したタイプ一致技の波乗りとシャドーボール、上記の通りドリュウズのような上からの打点を持つことで積みアタッカーを止めに来る相手に刺さるトリックルームとしました。
持ち物は拘らずに眼鏡と同等の瞬間火力を出したいため水のジュエルとしました。ただしラティオスをシャドーボールで落とすことはできなくなったためそこは注意する必要があります。
配分に関しては、オフ直前に急遽用意したため以前使用した眼鏡ブルンゲルの流用個体となっています。これでも期待していた動きは十分果たしてくれましたが、ラティオスを一発で倒せなくなったため対ラティオスを諦めDを下げBに厚くした方が対ドリュウズ等でより安定するためそちらの方が良かったかもしれません。
オフではバンドリに対しトリックルームを展開する理想的な流れで勝つことができ、また雨や珠ハッサムに対してもしっかり圧力を掛ける動きができたので、直前の変更が功を奏した形となりました。
パルシェン
意地っ張り 147-161-200-*-65-101(172-252-0-*-0-84)
- S:殻を破る使用後最速スカーフ70族+1
ウルガモスやボルトロスがカイリューやスカーフガブリアスを誘いやすいため、それら物理竜を起点に全抜きを狙えるパルシェンを採用しました。物理耐久が高く単体で積む動きが可能です。
技構成は、メイン技となる連続技の氷柱針とロックブラスト、全抜きを狙うための殻を破る、破っても抜けない相手への打点として氷の礫と、珠パルシェンの一般的な構成です。スカーフガブリアスや最速竜舞カイリューは破っても抜けず、これらを起点にして確実に倒すために氷の礫はやはり必須であると言えます。
持ち物はパルシェンの突破力を最大限に高める命の珠。王者の印や鋭い牙で怯みを狙っても良いかもしれませんが、軸となるボルトロス+ガブリアスの逆電磁波砂のギミックは不確定要素が多く、これ以上不確定要素を増やしたくない、電磁波頼みの構成にして構築全体のパワーを落としたくないと考え命の珠としました。
非常に突破力の高い珠パルシェンですが、今回の構築ではカイリューに対してはほぼパルシェンの選出が強要されてしまい、裏のスイクン等に上手く受けられる場面が目立ちました。カイリューに対しては如何に逆鱗を撃たせるかということと、裏のスイクンの処理方法を立ち回りも含めもっと考える必要があると感じました。
キノガッサ
意地っ張り 135-200-101-*-80-122(0-252-4-*-0-252)
上記4体でまだ薄い雨やドリュウズに対する駒として気合の襷持ちのキノガッサを採用しました。これらへの対策としてだけでなく、ボルトロスを初手に出しづらい場合に初手で出したり、ステルスロック等が無いパーティに対し死に出しからストッパーになれたりもします。
技構成は、ドリュウズを処理する等何かと便利な先制技のマッハパンチ、水タイプへの打点であり身代わり持ちにも強い種マシンガン、有利対面で一貫を取りやすいローキック、ボルトロスやウルガモスに対し襷を盾に倒せるストーンエッジとしました。ローキックが無いと有利対面になった際に一貫を取り辛くキノガッサが起点になってしまいやすく、パーティ全体で呼びやすいウルガモスやボルトロスを対面から処理するためにはストーンエッジも必要でした。そのためこの構築においては採用理由が最も不明瞭なキノコの胞子を切って攻撃技4つとしています。基本的に後出しができないこの構築では眠らせても結局はその後の眠りターン数に依存してしまい安定しないため、範囲を広げることを優先しました。
配分は火力を重視し意地っ張りASとしました。耐久や素早さに明確な調整先は無いため、火力を重視することで対面から相手に圧力を掛けられるようにしました。
オフでは範囲の広さを活かししっかりと圧力を掛けていく場面があり、構築次第だとは思いますが襷キノガッサはキノコの胞子が無くても十分に仕事ができると感じました。
個別解説は以上です。
パーティ全体でS操作ギミックを多数持つためにこれらを相手に応じて使い分けることができ、対応の幅がより広がったと思います。
弱点は水ロトムやユキノオー、ボルトロス、スイクン、またパルシェンが選出できない場合の対カイリュー等でしょうか。ユキノオーに対してはウルガモスしか対面から有利なポケモンがいないためウルガモスの選出が縛られてしまいます。ボルトロスは特に初手以外で出されると処理がし辛いということが課題です。
この構築を使用した第9回キツネの社mfでの成績は4勝4敗で139人中80位というものでした。結果は振るいませんでしたが自分の立ち回り等も含め反省点が多く見つかったので次に活かしたいと思います。
選出は以下のようになりました。(○:選出して勝ち ×:選出して負け 赤色で示したポケモンが初手)
ポケモン | 1R | 2R | 3R | 4R | 5R | 6R | 7R | 8R | 合計 |
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ボルトロス | × | ○ | × | ○ | 4/8 | ||||
ガブリアス | × | ○ | × | × | 4/8 | ||||
ウルガモス | × | × | × | × | ○ | 5/8 | |||
ブルンゲル | ○ | ○ | ○ | ○ | 4/8 | ||||
パルシェン | × | ○ | ○ | 3/8 | |||||
キノガッサ | ○ | ○ | × | × | 4/8 |
スタンらしく選出はかなり均等になっています。初手はほとんどがボルトロスまたはキノガッサからの展開となっており、この2体の初手での出しやすさがうかがえる形となりました。
オフでの対戦ログはまた後日投稿する予定ですので詳しい対戦内容を知りたい方はそちらを見ていただきたいと思います。
今回は以上となります。ここまで読んでくださりありがとうございました。