第1回関西シングルFESTA使用構築〜カバドリver. 2〜

ポケモン 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
カバルドン 気合の襷 地震 ステルスロック 欠伸 吹き飛ばし 砂起こし
ドリュウズ 命の珠 地震 岩雪崩 身代わり 剣の舞 砂掻き
ラティオス 拘り眼鏡 流星群 竜の波動 リフレクター トリック 浮遊
ハッサム 拘り鉢巻き バレットパンチ 蜻蛉返り ダブルアタック 寝言 テクニシャン
ウルガモス 虫のジュエル 大文字 虫のさざめき 目覚めるパワー氷 蝶の舞 炎の体
スイクン カゴの実 ハイドロポンプ 冷凍ビーム 瞑想 眠る プレッシャー

6月29日に行われた第1回関西シングルFESTAに参加してきました。使用構築はカバドリになります。
今回はカバドリラティの基本選出だけでなく、裏選出でも強力な勝ち筋を作れるように意識しました。そのため、以前のカバドリから全てのポケモンの型を変更しました。変更するにあたり特に意識したことは「強いポケモンを強い型で採用する」ということです。今までの構成は裏選出において特定の相手へのメタ要素を強くしたため、基本選出以外で強力な勝ちパターンを作れなかったことが問題でした。そのため、今回はメタ要素を極力少なくし、そのポケモン本来の性能を高める構成にしました。こうすることで自分から展開する要素が自然と多くなり、様々な選出で勝ちパターンを作ることも可能になりました。
なお、今回の構築を組むにあたり関西シングルFESTAの主催でもあるvanさんのブログを参考にさせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

以下個別解説・オフでの雑感等

個別解説

カバルドン

呑気 215-133-187-*-92-52(252-4-252-*-0-0 ※S個体値12)

今回の構築はこの気合の襷カバルドンを使用したカバドリを組むところから構築を開始しました。
カバドリラティの対処法の一つに眼鏡ヒードランや水ジュエルスイクンといった特殊高火力でカバルドンを一撃で落とす方法があります。慎重HDカバルドンであれば眼鏡ヒードランのオーバーヒート等は耐えることができますが、その分物理耐久が低くなりパルシェンマンムーキノガッサに対し安定しなくなってしまいます。
そこで配分をHBに特化させ気合の襷を持たせることで、パルシェンマンムーの氷柱針を耐えつつ特殊高火力は気合の襷で確実に1発耐えることができるようにしました。物理耐久に特化させたことでオボンの実が無くても十分な物理耐久を確保でき、特殊高火力に対しても1回の行動が補償できるため以前より更に起点作りの動きがしやすくなっています。気合の襷を持ったことにより雨に対しても初手で出したり、また副産物ですがラティオスのトリックで奪われても有効活用されないというメリットもあります。
技構成は一般的なカバルドンの4つとしました。ガブリアス等を確実に削ったりミラーで相手のドリュウズを処理できる地震、定数ダメージによる全抜きの補助としてステルスロック、起点作りおよびステルスロックと合わせて相手を流し削るための欠伸、相手の展開妨害のための吹き飛ばしとどれも必須の技です。氷の牙も欲しくなるかもしれませんが、氷の牙が必要になる相手は立ち回りで十分に対処が可能であり、相手を削る速度と起点作りの動きを重視しこの構成としています。
配分はvanさんのブログの配分をそのまま使用しました。Sをここまで下げることにより初手でソーナンスと対面しても欠伸で流したり、最遅ユキノオーとの初手対面で天候を取ることができます。

ドリュウズ

陽気 185-187-81-*-85-154(0-252-4-*-0-252)

カバドリのエースであるドリュウズですが、今回は命の珠を持った身代わり持ちで採用しました。
最近はキノガッサローブシンで止まらないようヨプの実を持つことが多いドリュウズですが、個人的にはドリュウズの持つ攻撃性能を最大限に高める火力強化アイテム持ちが好みです。強化アイテムを持つことで、剣の舞を使わなくとも倒せる範囲を広げる、定数ダメージを稼ぐ回数が減る、剣の舞を使った際の決定力が大幅に上がる等のメリットがあります。当然ですがデメリットもあり、特に命の珠は反動ダメージにより耐久が下がり、キノガッサローブシンマッハパンチに縛られやすくなります。相手の裏のローブシンキノガッサを見た状態では剣の舞を積むこともできないため、単純な扱いやすさではヨプの実持ちには大きく劣ります。今回は後述のラティオスと組み合わせることでこの弱点を解消し珠ドリュウズが動きやすくなるようにしています。ジュエルでなく珠なのはサブウェポンである岩雪崩の威力も強化でき、かつ高火力を持続させることが可能であるため、全抜きを狙うには珠が最も強力だと判断したためです。
技構成は、タイプ一致で広範囲に最も安定して火力を出せる地震地震が通らない多くの相手に等倍以上で入る岩雪崩、全抜きのための剣の舞、カバルドンラティオスのサポートからより全抜きを狙いやすくなる身代わりとしました。身代わりを持つことで有利対面での安定択ができ、起点を作った後の全抜きの動きも狙いやすくなります。身代わりを採用することで岩雪崩かアイアンヘッドを切る必要が出てきますが、個人的にドリュウズは化身ボルトロスに強くなければ採用する意義がないと思っているのでアイアンヘッドを切りました。命の珠を持つことで耐久無振りボルトロスを砂ダメ込みでちょうど岩雪崩1発で落とすことができるため、珠ドリュウズであれば岩雪崩の優先順位は自然と高くなります。ただしラティオスクレセリアグライオン等への打点が不足であるため、岩雪崩を恩返しにすることも検討するべきだと思います。
配分は陽気AS。本来であれば意地っ張りで採用したいところですが、構築全体でカバドリミラーに非常に薄い構成となってしまったため、ミラーでも最悪同速ゲーを仕掛けられるよう最速としています。最速にしたことでバシャーモにも強く、単体での選出もしやすくなっているため選出パターンは増えていると思います。
今回はラティオスを拘り眼鏡型で採用したこともあり、ドリュウズに身代わりを搭載する形を取りました。パーティ内で身代わり持ちの高速高火力ポケモンが1体でもいるとやはり安定感が増すように感じました。珠身代わりドリュウズが想定されない場面も多く、そういう意味では強力ですが、身代わりを残せないとキノガッサローブシンに弱くなってしまうので非常に慎重な扱いが要求される型であると言えます。

ラティオス

臆病 155-*-101-182-130-178(0-*-4-252-0-252)

カバルドンドリュウズとの補完に優れており、ラティオスまで含めてカバドリとさえ言われる基本選出の一角であるラティオス。今回は拘り眼鏡型で採用しました。
今回拘り眼鏡での採用となった理由は、拘り眼鏡がラティオス本来の攻撃性能を引き出せることに加え、雨に対し1.5倍の瞬間火力の流星群を複数回撃てることで有利に立ち回れると考えたからです。カバルドンに気合の襷を持たせたことで雨に対し初手でカバルドンを出してステルスロックを撒く動きが可能となったため、相手のニョロトノステルスロック+眼鏡流星群で処理できます。この動きだけであれば以前使用していたドラゴンジュエル型でも可能ですが、ジュエルは使い捨てであるため一度他のポケモンに受けられてジュエルを消費してしまうとニョロトノを落とせなくなってしまいます。この状態から瞑想を積むのはニョロトノのアンコールを考慮すると難しいため、一度交代を挟めば再度1.5倍の瞬間火力の流星群を撃てる眼鏡が雨に対しては有利だと考えました。これはカバルドンが気合の襷を持っており初手でキングドラと対面しても耐えてステルスロックを撒くことが出来るため可能な動きです。このことから雨に対してもカバドリラティの基本選出が可能となっています。
対雨以外においても、最大火力の流星群を複数回撃てるためにサイクルを回してくる相手に負担を掛け続けることができたり、拘りトリックにより後続のサポートもできます。また砂とステルスロックの定数ダメージにより眼鏡竜の波動の一貫を作りやすいといったこともカバドリにおける眼鏡ラティオスの強みです。カバルドンと残り1体で削って最終的に眼鏡竜の波動を連打することが勝ち筋となるケースも多いです。
技構成は、最大火力で相手のサイクルを崩す流星群、竜技が一貫する場面で連打することで相手の起点になるのを回避する竜の波動、後続のサポートおよび受けループ等を崩す手段であるトリックに加え、今回はリフレクターを採用しました。眼鏡ラティオスバンギラス入りに対しては拘りトリックを用いても不利な択が生まれてしまいますが、バンギラスに拘りトリックで技を固定した後にリフレクターを使用することで安全にドリュウズの起点を作ることができ、またドリュウズマッハパンチ等先制技に対する耐性を得ることもできます。この構成にすることで、カバルドンとの選出で竜の波動の一貫を作る、ラティハッサム選出で眼鏡流星群により相手のサイクルを崩す、トリックリフレクターでドリュウズウルガモススイクンの積みのサポートを行うといったように、様々な選出に絡んでいくことが可能になりました。竜の波動を置き土産にすることでドリュウズを更にサポートすることも考えましたが、連打することで起点になるのを回避できる眼鏡竜の波動の方がより柔軟に動くことができると判断しました。拘り眼鏡持ちの場合竜技が流星群のみではラティオスを一貫させるという勝ち筋が作り辛いことが問題になると思います。
今回は構築全体で特定の相手に対するメタ要素を極力排除し、そのポケモンが持つ本来の性能を最大限に高めるように意識して組んだということもあり、ラティオスキノガッサ対策枠としていません。だからと言ってキノガッサ入りに対しカバドリラティという基本選出を絶対しないわけではありませんが、キノガッサに対して起点にならないよう慎重に立ち回る必要があります。

ハッサム

勇敢 165-198-120-*-115-63(156-236-0-*-116-0 ※S個体値0)

  • A:11n
  • D:C182ラティオス眼鏡流星群高乱数1.5耐え(約98%)
  • S:最遅

ラティオスとの相性補完に優れ裏選出の中心となるハッサム。今回は拘り鉢巻きを持たせた型を採用しました。
カバドリのハッサムラティオスユキノオーの目覚めるパワー炎による事故を防ぐためにオッカの実が一般的ですが、今回はウルガモスが対ユキノオーの駒となれることもあり、ハッサムの単体性能を伸ばせる拘り鉢巻きを持たせました。オッカハッサムは事故になりにくいという点では優秀で使いやすいとは思いますが、その分腐りやすくハッサム本来の性能を落としているとも言えます。ハッサムに拘り鉢巻きを持たせたことでラティハッサム選出の際に相手に負担を掛けやすくなり、また終盤でバレットパンチの一貫を狙う動きもできるようになりました。言いかえれば、ラティハッサム選出をより強力にするための鉢巻きハッサムと言えます。このハッサムドリュウズラティオスと同じく「強い型での採用」を強く意識したものです。
技構成は、タイプ一致+テクニシャン補正により高威力の先制技であるバレットパンチ、相手に負担を掛けながらサイクルを回し有利対面を作る蜻蛉返り、レパルダスグライオンの身代わりを割りながら本体を削れるダブルアタック、蜻蛉返りやダブルアタックと合わせてキノガッサレパルダスを突破するための寝言としました。
配分はAを出来る限り伸ばしつつラティオスへの最低限の耐性を持たせるために眼鏡流星群1.5耐えまでのDを確保しました。その分物理耐久が下がっていますが、ハッサムを後出しする場面は特殊相手の場面が多いことや、対物理はラティオスのリフレクターである程度補えると考え火力と特殊耐久を重視しました。Sは蜻蛉返りを後攻で使える場面が少しでも増えるよう最遅としました。終盤のハッサムミラーではSは伸ばしたいところですが、序盤で相手のハッサムに対し居座って撃てる技が無いため、ハッサムミラーでも後攻蜻蛉返りが出来る確率を上げるよう最遅にしています。
サイクル戦では有利に戦える鉢巻きハッサムですが、現在の高速環境では1ターンでも隙を見せると相手の起点になってしまう場面が多く、扱い方の問題もあるかと思いますが相手の展開を妨害する手段のないハッサムは選出し辛いと感じました。単純な数値不足なために受け出しもあまり出来ず、KPの割に今の環境はハッサムにとって逆風のように思いました。またオッカや羽休めを持たないためユキノオー入りに対しウルガモスと同時でなければ選出できず、結果ハッサムを選出せずウルガモスのみの選出になるという問題が発生し、結果的に選出する機会がほとんどなくなってしまいました。そのためこのハッサムの枠はウルガモスの枠と合わせて再検討する必要があると思います。

ウルガモス

臆病 161-*-89-187-125-162(4-*-32-252-0-220)

今回はキノガッサではなくウルガモスを採用しました。気合パンチ+マッハパンチの構成のポイズンヒールキノガッサはカバドリミラー以外では眠りのターン数に依存する場面が多く扱いづらいと思い、拘り鉢巻き持ちのテクニシャンキノガッサバシャーモへの変更を検討しましたが、それだとクレセリアローブシン(+バンギラス)の並びに弱くなってしまいます(バシャーモはそもそも持っていないという問題もありました・・・)。そこでバンギローブクレセの並びに強くかつキノガッサで見たかった範囲(対ナットレイユキノオー等)を補える虫のジュエルウルガモスを採用しました。ウルガモスを採用したことで自然とユキノオーラティオスへの耐性が上がったためハッサムに鉢巻きを持たせることもできています。
技構成は、炎技にはローブシンボルトロス等への火力を考え大文字、バンギラスクレセリアへの打点でありキノガッサユキノオーにも安定して撃てる虫のさざめき、構築全体で苦手なグライオンや霊獣ランドロスを倒せてカイリューの起点にならない目覚めるパワー氷、相手の高耐久ポケモンを崩したり全抜きを狙うための蝶の舞としました。目覚めるパワー氷は炎技と範囲が被ることが多く、目覚めるパワー氷を炎技の代用とすることで炎技を連発する状況を避けることができるため、対ローブシン等への威力を重視して大文字を選択しています。
持ち物の虫のジュエルはステルスロック+1舞ジュエルさざめきでバンギラスを落としたり、ステルスロック+砂嵐ダメージ2回+舞ジュエルさざめきで207-135スイクンを落とせるようにするためです。
配分は、最速グライオンまで抜けるSを確保し、スイクン等へのジュエルさざめきのダメージを考慮してCに全振り、残りをBに回し陽気マンムー地震+氷の礫やガブリアスの逆鱗を高確率で耐えられるようにしています。
ユキノオー入りやバンギローブクレセ等に強くなるよう採用したウルガモスですが、高耐久水タイプを誘いやすくなること、ステルスロックユキノオーに対応出来ない等の問題もあるため、この枠もハッサムと同様見直すべき部分かもしれません。ちなみにキノガッサウルガモスに変更したことで対エンペルトを完全に切った形となっているためこの構築はエンペルト入りにはまず勝てません。

スイクン

控えめ 207-*-135-156-136-105(252-*-0-252-4-0)

  • ダウンロード意識でB<D

※これは使おうと思っていたもので、オフで実際に使った個体は目覚めるパワー炎個体を流用したものであるため実数値が207-*-135-155-136-105となっています(ダウンロード意識のため努力値は4余っています)。

打ち合い性能を重視しつつも積んでいくこともできるHC瞑想眠るスイクンです。このスイクンも、対カバドリミラー等特定の相手への駒というだけでなく、ラティオスカバルドンによる起点作りから積極的に展開する動きを狙っています。このスイクンラティオスのサポートにより積む動きがしやすくなったため採用できたポケモンと言えます。
今回はラティオスが眼鏡でありキノガッサに対し不安が残っていることから、当初は臆病HSで考えていましたが、火力不足により押し切られる場面が多かったため控えめHCに変更しました。そのためキノガッサに先制することができなくなっていますが、キノコの胞子はカゴによる催眠耐性、種マシンガンはラティオスのリフレクターによる補助と一応ある程度は耐性を確保しています(それでもSが遅いためにキノガッサ入りには厳しくなっています)。
技構成は、ウルガモスローブシンハッサム等と打ち合うためのハイドロポンプキノガッサやドラゴンへの打点として冷凍ビーム、ラティオスカバルドンによる起点作りから展開するための瞑想、スイクンの耐久を活かすことができ瞑想との相性も良い眠るとしました。
配分は打ち合い性能を重視し控えめHC。積まなくとも高い火力を確保でき、瞑想眠ると合わせて耐久もあるため、打ち合いも積んでいく動きも柔軟に行うことができます。配分に関しては火力や耐久を削ってSを伸ばす等、検討の余地はまだ残っていると思います。Cをある程度確保しつつ臆病でSを思い切り伸ばすのも良いかもしれません。ただその場合は耐久をかなり落とすことになるため、対カバドリミラー等により明確な回答が必要になります。
個人的に瞑想眠るスイクンは処理速度の遅さから今まであまり評価していませんでしたが、ラティオスの眼鏡トリックにより積む状況を作りやすくなったためこの構築では積極的に積んで勝ちを狙う瞑想スイクンが合っていると感じました。火力を伸ばすことで積まずに打ち合うことも可能で状況に合わせて打ち合いか積みかを選択できるため非常に対応できる範囲が広く強力な型だと思いました。

個別解説は以上になります。

選出

1. カバルドン ドリュウズ ラティオス
もはや説明する必要のないカバドリラティの基本選出。基本的にカバルドンを初手に出し、ステルスロックと欠伸によりドリュウズの起点を作る、定数ダメージで削りラティオスの眼鏡竜の波動やドリュウズの圏内に入れる動きになります。カバドリの選出はこの基本選出が出来るかどうかを見極めるところから始まると言っても過言ではなく、まずこの選出で勝てるかどうかをシミュレートし、勝てないと判断した場合に選出を変えていくという選出方法になります。

2. カバルドン ウルガモス ドリュウズorラティオス
ウルガモスで積極的に全抜きを狙う選出です。相手の格闘が重いと感じた場合はラティオス、カバドリ選出したいがウルガモスも必要というときはドリュウズという感じで選出します。受けループに対してもラティオスのトリックからウルガモスで積んでいきます。

3. ラティオス ハッサム カバルドンorスイクン
ラティハッサム軸の選出で、サイクルを回すことに重点を置いています。主にカバドリミラー等ドリュウズ入りに対してすることが多い選出です。初手ハッサムの蜻蛉返りから展開していくことが多いと思います。他の選出パターンに比べ処理速度が遅く負担が掛かりやすいことに注意する必要があります。

4. ラティオス ウルガモス ドリュウズorスイクン
どちらかというと積みサイクルに近い形の選出パターンです。ラティオスバンギラスでしか処理できないような相手に対しては積極的にドリュウズを単体で選出し、初手ラティオスのトリック・リフレクターからドリュウズで全抜きを狙っていきます。ラティオスが後続のサポートも出来る構成になっていることからウルガモススイクンで積む動きがしやすくなっています。

選出はおおまかに分けるとこんな感じになると思います。カバドリラティを基本とし、基本選出が無理ならサイクルを回すか積みサイクルの形で展開していきます。眼鏡ラティオスの汎用性が高く、様々な選出に絡んでいける形になっています。これ以外のパターンで選出することもありますが、選出における考え方はだいたいこんな感じで、後は相手の構築に合わせて少しずつ変えていきます。安全に後出しできる耐久のポケモンはほとんどいないため、相手の戦術で詰まないように、起点にならないように意識して選出し立ち回ります。

オフでの雑感

第1回関西シングルFESTAの結果は、4勝4敗で対戦参加者88人中38位でした。あまり良い結果ではありませんが、対戦内容自体は特別運が悪いといったこともなく、単純に自分の実力不足だったと感じました。構築単位で重い相手への対処ルートを用意できていなかったり、構築に対する自分の理解が不十分であり最適な選出をできなかったりした試合もあったため、もっと構築・立ち回りを改善していく必要があると思いました。実際上位にカバドリの使用者が何人もいたため、関西オフの環境でもカバドリは十分戦えると思います。
参考までに予選8試合の選出とそれぞれの結果をまとめておきます(○:選出して勝ち ×:選出して負け)。

ポケモン 1R 2R 3R 4R 5R 6R 7R 8R 選出回数
カバルドン × × × × 8/8
ドリュウズ × ×   ×   6/8
ラティオス × ×   × × 7/8
ハッサム                 0/8
ウルガモス             × 2/8
スイクン               1/8

相変わらずのひどい偏り様ですねw カバドリラティの基本選出は6回でした。カバルドンが皆勤賞で、しかも全て先発で出しています。襷カバルドンの初手での出しやすさおよび起点作り性能の高さからこのような形になったのだと思います。ただ選出に迷った結果カバドリラティと出して負けた試合もあるので、当たり運もあるかもしれませんがここまで極端に偏るのはやはり何かしら問題があるのではないかとも思います。ハッサムを全く出すことができなかったため、ハッサムを選出しやすい構築にできれば選出がここまで偏ることもなく幅広い相手にもっと柔軟な対処が出来たと思うので、やはりハッサムの枠を再度見直す必要があるのかなと思いました。

総括

冒頭でも述べたように、今回の構築はそれぞれのポケモンが持つ性能を出来る限り引き出せる型で採用しました。カバドリラティの基本選出に関しては、気合の襷カバルドンを採用したことで眼鏡ラティオスを採用でき、襷カバルドンと眼鏡ラティオスを採用したことで命の珠身代わりドリュウズを採用することができました。残りの3体に関しても、眼鏡ラティオスと鉢巻きハッサムにより常に高火力で圧力を掛けつつサイクルを回すことが出来たり、ラティオスの拘りトリックとリフレクターによりウルガモスや瞑想スイクンに繋ぐといったように、全体的に非常に前のめりに攻めていく構築になったと思います。汎用性を保ちつつ特定の相手にメタを張るということが苦手な自分にはこういう構成の方が合っているように思いました。
一方で、メタ要素を極力排除し汎用性の高い構成を多くしたことで、カバドリのメタに対する対策が不十分になっている部分もあります。カバドリミラーに弱いこと、依然としてキノガッサに不安が残ることも課題として残ってしまいました。

最後に

何度も繰り返すことになりますが、今回はそれぞれのポケモンを出来るだけ強力な型で採用し、かつそれぞれが上手く噛み合うように意識して構築しました。珠ドリュウズや鉢巻きハッサムといったところにその傾向が強く見られると思います。カバドリのメタが進むとどうしてもヨプドリュウズやオッカハッサムといった保険をかけた構成が扱いやすいと感じることが多くなりますが、その構築の本来の性能を最大限に引き出すことで受け身にならずに積極的に勝ちを狙うという考え方も必要なのではないかと思いながら組みました。ヨプドリュウズやオッカハッサムが評価されるのは理解できますが、どうしてもその理由が後ろ向きなものばかりな気がして、扱いやすさや環境への適応よりも構築のパワーを伸ばすことをもっと重要視して組んでも良いんじゃないかなーと最近は思っています。とは言えポケモンというゲームの性質上、メタ要素は常に考慮しなければいけない部分であるため、そのあたりの折り合いの付け方はなかなか難しいところではあると思います。

長くなりましたが今回は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。詳しい対戦ログも後日改めて投稿しようと思います。

第5世代も残り3カ月程度で終了となってしまいますが、依然として環境が収束する気配を見せないため、まだまだ開拓されていない要素があるかもしれません。そういった部分も含めて最後まで第5世代の対戦環境を楽しみたいですね。